DCコミックスから誕生した“最速”のヒーロー、海外ドラマ「THE FLASH/フラッシュ」のあらすじ&見どころを紹介
バットマンやスーパーマンで知られるDCコミックスが生み出したアメリカン・ヒーローの実写TVシリーズ「THE FLASH/フラッシュ」。主人公のバリー(グラント・ガスティン)は、CSIの科学調査員としてセントラル・シティの警察に勤務していたが、ある日、実験室での爆発に巻き込まれてこん睡状態となる。やがて長い眠りから覚めた彼は、自分に超人的な治癒力と、閃光(=フラッシュ)のように“超高速”で移動できる能力が備わっていることを知り、“フラッシュ”として悪と闘うことを決意する。本記事では、そんな本作のあらすじや見どころを深掘りしていく。 【写真】深紅のコスチュームを身にまとったグラント・ガスティン“バリー・アレン” ■爆発事故をきっかけに、特殊能力に目覚めたバリー 本作の主人公、バリー・アレン(グラント・ガスティン)は、幼い頃に母親を殺害され、その犯人として父親が投獄されてしまう。身寄りがいなくなったバリーは、当時の捜査官、ジョー・ウエスト刑事(ジェシー・L・マーチン)に引き取られ、彼の娘・アイリス(キャンディス・パットン)とともに育てられる。アイリスへの淡い恋心を抱きつつ、大人になり科学者となったバリーは、CSIの科学調査員としてセントラル・シティの警察に勤務することに。そして父親の無実を証明するため、母親の殺人事件の真相を探るのだった――。 そんな中、バリーは爆発事故をきっかけに、胸に稲妻のマークが入った深紅のコスチュームを身にまとい、超高速で疾走しながら大切な人々を守りぬく正義のヒーロー・フラッシュとなるわけだが、この世界において巨悪と戦うのは彼だけではない。DCコミックスの実写ドラマ「ARROW/アロー」のスピンオフとなる本作は、同じくスピンオフの「SUPERGIRL/スーパーガール」や「レジェンド・オブ・トゥモロー」などともに、同一の物語世界を共有する“アローバース”の一つとなっている。 「THE FLASH/フラッシュ」という一つの物語を展開しつつ、他の作品とのクロスオーバーエピソードや、いくつもの作品のエピソードが絡み合う長編作品が描かれるなど、作品の垣根を越えたヒーローたちの戦いが繰り広げられるのが“アローバース作品”の見どころだ。中でも本作は、高速移動の能力で時間を逆行したり、パラレルワールドを行き来したりするなど、クロスオーバーの起点となることの多い作品でもある。 バリー扮するフラッシュの奮闘を楽しみつつ、クロスオーバーでさらなる壮大な展開や、“アローバース”ならではのアクションシーンが堪能できる点も、本作の大きな魅力と言えるだろう。 ■「ARROW/アロー」の主人公、オリバー・クイーンと共闘するシーンも 主人公のバリーを演じるグラント・ガスティンの見事なはまり役ぶりも、本作が人気を博した理由の一つ。2016年公開の映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」や、2023年公開の「ザ・フラッシュ」ではエズラ・ミラーがバリー役を演じたが、ファンの中には「グラントのフラッシュが見たい」という声も上がっていた。それほどまでにバリー役を強烈に印象付けたグラントの演技に注目だ。 また本作には、バリーを支える魅力的なキャラクターたちも登場。バリーの育ての親であるジョー・ウエスト刑事は、セントラル・シティ警察署の敏腕刑事で、バリーを心配しつつヒーローとしての活動を理解し支えていく。そんなジョーの一人娘・アイリスは、バリーにとって幼い頃から一緒に育った家族であり、片思いの相手でもある。 そして、バリーがフラッシュとなる原因の事故を引き起こした“STARラボ”を運営する天才物理学者のハリソン・ウェルズ(トム・カバナー)も、同じくSTARラボのエンジニアであるケイトリン・スノー(ダニエル・パナベーカー)、シスコ・ラモン(カルロス・バルデス)とともにバリーの活動をサポート。 さらに、クロスオーバーエピソードには、億万長者でありながら鍛え抜かれた鋼の肉体と弓矢を武器に戦う「ARROW/アロー」の主人公、オリバー・クイーン(スティーブン・アメル)も登場し、フラッシュとアローが共闘する“胸熱シーン”も描かれる。 ■母を殺した“黄色いスーツの男”の行方を追うバリー シーズン1では、“フラッシュ”の誕生秘話が描かれる。バリーが11歳の頃、母親が何者かに殺害され、無実の罪でバリーの父が逮捕されてしまった。その後ジョー・ウエスト刑事のもとで成長したバリーは、科学捜査官として働きながら、母の不可解な死にまつわる謎を追っていた。実は、母が殺された際に謎の“黄色いスーツの男”を目撃していたのだ。調査を進めていくうちに、バリーは物理学者ハリソン・ウェルズ博士がSTARラボで研究を進める最先端の粒子加速器に興味を持つ。その披露会で不具合によって加速器が爆発し、巻き込まれたバリーは9カ月もの間眠り続け、目覚めると、閃光のような速さで動く能力を身につけていた――。 そして、自分のような特殊能力を持つメタルヒューマンがセントラル・シティを破壊しようとしていることを知ったバリーは、STARラボの研究員たちと協力しながら“フラッシュ”として戦うことに。力を合わせて“黄色いスーツの男”ことリバース・フラッシュを倒したバリーたちだったが、シーズン2では、セントラル・シティ上にブラック・ホールの特異点が現れる。その特異点は街を脅威にさらすだけでなく、異世界への入り口を開いてしまう恐ろしいものだった…。バリーは仲間たちを危険から守るために彼らを突き放し、一人でセントラル・シティを守ろうと決意するのだが――。 シーズン3では、キッドフラッシュという新たな俊足の男がセントラル・シティの平和を守る中、バリーは両親が生きている世界でアイリスとともに普通の人生を歩み、夢のような生活を送っていた。しかしそこへリバース・フラッシュが現われ、“このまま異世界のアースに住み続けるのであれば、バリーやバリーの愛する人たちにも深刻な影響が及ぶ”と警告する。以前の記憶が薄れるとともに、バリーの能力も弱まっていくというのだ。こうしてバリーは、この世界で生きるのか、元の世界へ戻りフラッシュとして生きるのか、究極の選択を迫られる――。 シーズン4では、バリーが“フラッシュ・ポイント”と呼ばれる別の時間軸を作り出してしまったことで、それと同時にサビターという悪党を生み出してしまう。バリーはセントラル・シティの平和を脅かすメタヒューマンたちから人々を守るためにスピードフォースの内部へと消えるのだが、そこへサムライのヴィランが現れ、“フラッシュを連れて来なければ街を破壊する”と告げるのだった――。 シーズン5で、バリーはSTARラボのメンバーによってスピードフォースから助け出され、ついにアイリスと結婚する。しかし、これは天才科学者シンカーによる巧妙な悪巧みの一部だったことが判明。シンカーはラルフ・ディブニーをはじめとする新たなメタヒューマンを作り出し、利用しようとする。そこでバリーは、セントラル・シティへの最終攻撃を食い止めるため、シンカーの頭の中に入り込むことにするのだが――。 ■バリーは“フラッシュ”としての能力を失いかけ、アイリスは囚われの身に… シーズン6では、依然としてセントラル・シティが破壊の危機に直面する中、命を失いかける体験をしたキラー・フロストに、思いもよらない新しい力が生まれる。一方、クライシスを数週間後に控え、仲間たちに彼がいなくなった後の心構えをさせていたバリーは、“恐ろしいメタヒューマンを倒したい”という欲求を抑えきれずにいた――。 シーズン7で、バリーはスピードスターである“フラッシュ”としての能力を失いかけていた。バリーのスピードを取り戻す方法を探るナッシュ・ウェルズ。一方、アイリスは復讐に燃えるエヴァ・マカロックによって、ミラーバースに捕らわれたまま出られずにいた。そんな中、セントラル・シティには雪辱を果たそうとする昔の悪党や、新たな強敵が続々と現れ、チーム・フラッシュの前に立ちふさがる――。 シーズン8では、強大な力を持つ宇宙人の脅威が地球に迫り、バリーたちは世界を救うために壮絶な戦いを挑むこととなる。デスペロは、「間もなく大きな悲劇が訪れてフラッシュの精神が崩壊し、アルマゲドンが始まる」と警告する。バリーは、手遅れになる前に昔の仲間たちの協力を得て“善の力”を拡大しなければならないと奮闘するが、アイリスの衝撃的な一言で打ちのめされてしまう――。 ファイナル・シーズンとなるシーズン9は、フラッシュがリバース・フラッシュを倒した戦いの1週間後から幕を開ける。幸せに暮らすバリーとアイリスだったが、新たな強敵が率いる悪党グループがセントラル・シティを襲撃。チーム・フラッシュは再び限界を超える最後の決戦に臨むのだった――。 奥が深いストーリー展開やスピーディーで迫力満点のアクションシーンも楽しめる「THE FLASH/フラッシュ」は、動画配信サービス「Hulu」にてシーズン1~9まで配信中。