国立キエフ・バレエ団で活躍の富山出身ダンサー ふるさとで公演「Life is __.」
富山テレビ放送
16日、ウクライナの名門「国立キエフ・バレエ団」で活躍した富山市出身のバレエダンサー岩崎安里さんの富山初の自主公演が行われました。 ダンスで表現したのはコロナ禍の経験やウクライナの軍事侵攻などで通じて感じたある思いでした。 16日、富山市で開かれたダンス公演主宰したのは富山市出身のバレーダンサー岩崎安里さん(28)です。 日常の尊さ、今を生きる大切さを様々なジャンルのダンサー4人と共にダンスで表現しました。 公演のタイトルは「Life is __.」 ダンサーと観客それぞれがライフイズに続く言葉を心に思い描いてほしいとこのタイトルを付けました。 岩崎さんにとってのライフイズ、とは…。 岩崎さんは6歳からバレエとジャズダンスを始め、高校卒業後、プロのバレエダンサーを目指しスイスに留学。 2018年からウクライナの名門「国立キエフ・バレエ団」に3年あまり所属し、「ピノキオ」「くるみ割り人形」ではソリストも務めました。 現在は、東京を拠点に舞台に出演するほか講師なども務めています。 今回、「Life is __.」 をテーマに選んだのは… *バレエダンサー 岩崎安里さん 「2年前に祖母が亡くなったことと、ウクライナでのコロナ禍、ウクライナでの戦争。この3つが人生の経験としてあった。共通して言えるのは『明日は当たり前に来ない』ということ。いつ命が終わるかわからないということを経験して、私だけではなく、みんな共通しているテーマだろうと思い、踊りを通してそれを皆さんとシェアできたらと思った。」 故郷富山では初の自主公演。 バレエの演目ではこれまでお世話になった人や友人、家族に感謝の気持ちを込めてプロを目指すきっかけとなった思い出の曲「ドン・キホーテ」を選びました。 岩崎さんが3年あまり過ごしたウクライナ。 バレエ団に所属していた時にはコロナ禍で何か月も公演ができない日が続いたり、ロシアの軍事侵攻後は多くの仲間が避難を余儀なくされただけでなく、仲間の一人を失いました。 *バレエダンサー 岩崎安里さん 「私が一緒に踊っていたパートナーがウクライナを守りたいと自ら戦争に行った。その後亡くなってしまった。それを聞いたときに私は命はいつ終わるのかわかないんだと思った。」 ダンサー仲間や祖母の死など悲しい経験は岩崎さんにとって世の中に対して何かできるかを考えるきっかけとなったと言います。 そこでダンサー仲間に声をかけ、これまでできなかった故郷での公演を決意し、今を生きることの大切さを感じてもらいたいという思いをダンスに込めたのです。 公演の最後には出演者がタイトルにちなみ自分の「Life is __.」を披露しました。 *岩崎さん 「『Life is journey.』という言葉を入れた。旅という意味。全て人生は予想通りにはいかないし、いろんなチャンスも突然降ってくるし、縁やチャンスだったり、苦しいことも楽しいことも全て自分にしか味わえない旅だなと考えて生きていきたい」 *観客 「(岩崎さんと)同じスタジオで踊っていたが、ずっと憧れのお姉さんで、(公演を見て)自分もすごくパワーをもらった。日々の幸せなこと、つらいこと、いろんな感情が踊りから伝わってきた」 *観客 「すごくすてきだった。今、子育てしているが、どんどん大きくなって必ず戻ることのない時間なので、大事にしたい思った」 大好きな故郷でこれまで磨いてきたバレエやダンスを披露した岩崎さん。 ウクライナへ心を寄せながらこれからも活動していきます。 *バレエダンサー 岩崎安里さん 「まずは(ウクライナの)戦争が早く終わってほしい。みんな元気でいてほしい。今、自分ができることを精一杯やって何か皆さんに貢献できることができたら。富山でも活動の幅を広げていけたら」 ウクライナでは小さい子供たちもバレエをオシャレして見に来る習慣があり、富山でも子供たちに気軽に芸術を楽しんでもらいたいと2回公演のうち、昼の部を6歳までは無料にしたそうです。
富山テレビ放送