小笠原でアホウドリとみられるヒナを戦後初めて確認
東京都は12日、小笠原諸島・聟島(むこじま)列島の媒島(なこうどじま)で、アホウドリと推定されるヒナ1羽を確認した、と発表した。国内でアホウドリは、これまで伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島で確認されているが、小笠原諸島では1930年代に乱獲で絶滅しており、確認されれば戦後で初めての繁殖確認となる。 今回、東京都小笠原支庁の職員と、特定非営利法人小笠原自然文化研究所員が現地を調査。5月7日にこのヒナを確認した。このヒナの羽を採取し、現在、本土に向けて搬送している。今後DNA分析を行い、ヒナが本当にアホウドリかどうか調べる。 小笠原諸島は戦前まで数万羽のアホウドリが生息する大繁殖地だった。現在は、鳥島、尖閣諸島とミッドウェイ環礁で、約2500羽が生息しているとみられる。東京都では、1997~99に媒島でアホウドリの繁殖を妨げるノヤギの排除を実施するなど、環境整備に取り組んでおり、その成果が現れたとみられる。 (写真提供:東京都)