シャープがEV市場に参入へ、鴻海との連携で「未来の車載空間」を提案、移動体験の“再定義”に取り組む背景
■空間+で拡大目指すシャープのEV 鴻海精密工業のEV事業の関潤CSOは鴻海の実力を以下のようなエピソードで示唆した。 「日本の自動車メーカーの幹部に試乗してもらうと、口をそろえて『スマホは作れるとわかっていたが、まさか車が作れるとは思わなかった』と言われる」 現在、鴻海は「モデルC」「モデルB」(クロスオーバーSUV)、「モデルV」(ピックアップトラック)、「モデルN」(バン・トラック)など、多様なEVの開発を進めている。2025年までに世界のEV市場の5%のシェア獲得を目標とし、EMSと自社ブランド開発の両方を活用した多角的な戦略を展開している。
シャープのLDK+コンセプトは、家庭用途にとどまらない幅広い展開を目指している。種谷氏は次のように述べている。「LDK+という言葉からはB2C、家とのつながりの中での価値を皆さん頭に思い浮かべていただけると思うんです。けれども、それにとどまらず、B2B2CであるとかB2Bの領域であればオフィス+であったり、ワークプレイス+という新しい世界観にこのLDK+の世界を広げていきたい」 種谷氏はさらに、このコンセプトが個々のユーザーのニーズに応える可能性を強調し、「皆さん一人一人の、ちょっとした思いであったり、こうあったらいいな、というようなところに立地できる、そういうEVを皆さんに提供していきたい」と語った。
石井 徹 :モバイル・ITライター