【シティーマラソン】郡山の未来見据えて(11月30日)
来年4月29日に開催される第32回郡山シティーマラソンの概要が、大会実行委員会の第1回総会でほぼ固まった。「シティーマラソン」はその街の魅力をアピールする絶好の機会になる。国内外の大都市に負けない大会にすべく、関係者が一丸となったさらなる努力を望む。 次回は、改修が完了する郡山ヒロセ開成山陸上競技場がメイン会場となる。コースはこれまで同様郊外に向かうが、郡山市制施行100周年を記念して取り入れた開成山公園付近を周遊する行程を一部踏襲した。市街地を走る大会は、道路管理や交通規制などの問題がありコース設定が難しい。長い歴史の中で、いかに街の中心地近くを通過させるかに関係者は苦労してきたという。開成山公園付近周遊はその第一歩といえる。 近年、県内外の大都市で開催されるシティーマラソンは、ランナーを介して街の魅力を全国に発信できるコースを選定する例が多い。だが、郡山のコースは残念ながら中核市の潜在的魅力を発信できるまでには至っていない。
大会は1994(平成6)年、市制施行70周年のメモリアルとして始まった。背景に市民マラソンを定着させたいとの陸上関係者の思いがあった。昭和50年代、大学陸上部を誘致し、東北陸上競技協会主催の30キロマラソンを開催していた土地柄でもある。 第1回大会は5月に実施され、翌年から開催日を4月29日に固定した。30年を経ての参加者は延べ13万人を超えている。当初は10マイルレース(約16キロ)がメインだったが、第24回大会からハーフマラソン部門を新設した。コロナ禍で2年間中止されたが、一昨年に復活した。 コロナ禍からの健康志向もあり、マラソン熱は再び盛り上がっているという。走りながら街並みを楽しむ愛好家は多い。魅力ある都市マラソンには、国内外から参加者が押し寄せる。先のふくしま駅伝での郡山市チームの活躍は記憶に新しいが、市街地を北上するコースの沿道は声援であふれていた。コース設定には市民の理解も不可欠だ。市は市制100年を経て新たな一世紀に歩み出す。大会も名実ともに「シティーマラソン」となるよう、次年度以降も見据えた未来志向で走りだしてほしい。(関根英樹)