サンマルクカフェ、V字回復の鍵は原点回帰 若年層はコラボでつかむ
昭和レトロなパフェ
カフェ強化は、コーヒーの「サンマルクブレンド」を飲みやすくリニューアルするほか、若年層に人気の高いスムージーをコアメニューに据えて力を入れる。 スムージーはもともと夏向けの商品だったが、近年は季節商品やコラボでの人気が高まり、通年で提供するようになってきた。サンマルクカフェは、冬でも暖房が効いているショッピングモールへの出店が多く、年間を通じて冷たいスムージーの需要は高いという。 ユニークなのがパフェのリニューアルだ。これまでもパフェを提供してきたが、新メニューとして「クリームあんみつ」や「プリンアラモードとクリームソーダ風ゼリーのレトロパフェ」など、昭和レトロ感のあるパフェを提供する。容器にもこだわり、懐かしさを感じさせるパフェグラスを用意する。 「サンマルクカフェには、レトロな喫茶店のイメージを持たれているお客様も多い」(鎌田社長)とのことで、前述のフレンチトーストやピザトーストと合わせて、レトロな喫茶店のイメージを演出するのが狙いだ。 鎌田社長は「パンマルクプロジェクトによって、V字回復を果たした流れを今後も継続していきたい」と語る。店内で調理する模様をテレビの取材で映してもらうなど、カフェベーカリーであることの周知も怠らない。こうした取り組みで、これまで以上にブランドコンセプトを明確にアピールしたい考えだ。 一方で、従業員に対するブランディングは、これからが本番だと襟を正した。「メニューを絞ることで何を売っているのかが明確になり、オペレーションが簡素化されるというメリットもある。今年(24年)4月から新しい教育制度を導入しており、サンマルクカフェの強みなどの理念は、そこで伝えていく」(鎌田社長)と言う。 原点に立ち返ったサンマルクカフェ。“私たちは何を売っているのか”が明確になり、従業員に浸透していけば、売り上げをさらに拡大できそうだ。
湯浅 英夫