ウルトラマンもウルトラセブンも劇中では輸入車を使用! いまも昔も知名度アップには劇中車化するのが万国共通だった
輸入車販売完全自由化以降はテレビドラマで輸入車を積極採用
輸入車側も自由化をアピールするかのごとく、当時の特撮ヒーローものなどの劇中車で輸入車が使われることが目立っていた。 有名なところでは、初代ウルトラマンの科学特捜隊車両として使われたシボレー・コルベアやウルトラセブンでは地球防衛軍の警備車両として使われた「ポインター号」のベースとしてクライスラー・インペリアルが使われた。 ドラマ「東京警備指令ザ・ガードマン」では、当時ガードマンという職業自体も目新しいものであったが、この劇中でガードマンが使っていた車両も、欧州フォードの「タウヌス」(前半)と、「オペル・レコルトC」(後半)であった。伝説的な刑事ドラマである「太陽にほえろ」でも初期には「フィアット1800B」が使われていた。 いまでこそ、サラリーマン世帯でも手軽とまではいかない車両も多いが、輸入車を購入することもできるが、当時は販売自由化になったとはいえ、一般的な乗用車すらサラリーマンがおいそれと買うことができなかった(サラリーマンでも輸入車を購入対象として一般的に検討できるようになったのは1980年代後期のバブル経済のころからと筆者は考えている)。 「マイカー」そのものが庶民の夢であった時代、輸入車は当然その夢の先の存在であった。少しでも身近に感じてもらおうと、しばらくはテレビドラマなどの劇中車として輸入車がよく使われたようである。 この傾向は第一次韓流ブームのころの韓流ドラマでも顕著であった。いまの韓国ソウル江南地区へ行けば、当たり前のように欧米、日本車が走っているが、当時の韓国はまだまだいわゆる輸入車の存在は限定的であった。そのなかで、劇中で主役が乗るクルマは韓国ブランド以外のクルマ(欧米車ばかり)であり、違和感を覚えていた。 まずはメディアにて広くアピールというのは万国共通であったようである。
小林敦志