FC東京に“久保ロス”波紋なし?!永井の2発でガンバに快勝
試合後の公式会見。現役時代は日産自動車や清水エスパルスでフォワードとして活躍し、日本代表としても1993年10月の「ドーハの悲劇」も経験した先輩の立場から、FC東京の長谷川健太監督(53)は昨シーズンから時間をかけて永井のメンタル面を変えてきたと振り返った。 「サイドでプレーしていた時期もあり、どちらでも生かしたい選手でもあったことで、なかなかひとつのポジションで決め切れなかった。謙佑自身も頭のなかで中途半端な考え方でプレーすることが多かったと思うので、もっとゴールに向かってプレーしよう、という話を本人ともして、昨シーズンの序盤戦から謙佑をフォワードに置いて戦ってきました」 たとえば名古屋グランパス時代はサイドハーフだけでなく、[3-6-1]システムのウイングバックで起用されたこともある。無双のスピードを駆使して対面に来る相手のサイドハーフやサイドバックを封印し、そのうえでオーバーラップからチャンスを作り出すタスクを担った。 福岡大学時代は「自分より足が速い選手に出会った記憶がない」と豪語。2011年3月のプロデビュー戦では、対峙したマリノスの木村和司監督(当時)を「スピード違反や」と脱帽させた韋駄天はいつしか器用貧乏状態に陥り、生来の優しい性格も手伝って相手へ怖さを与えられなくなっていた。 しかし、昨シーズンから指揮を執る長谷川監督のもとで、最大のストロングポイントを前面に押し出すプレースタイルがもたらす喜びを思い出した。森保ジャパンでも結果を出したことで得た自信との相乗効果で、最前線で相手に脅威を与え続ける永井の姿に指揮官も思わず目を細めた。 「シュート練習でもすごく上手い選手ですから。徐々に考え方がストライカーっぽくなってきて、今シーズンはゴールへ向かうプレーがかなり多くなってきた。そこへ代表にフォワードとして選ばれた自信というものが、代表から帰ってきて非常によく見られるんじゃないかと思っています」