「自分だけは絶対に殺さないで。そうすれば、こうやってまたライブで会うことができる」……銀杏BOYZ、18~19年ぶりの全国ツアー・富山公演レポート
「一番信じられるものを求めて富山まで来た」
そして、峯田がこだわる「ライブ」についてもMCでこう語った。 「今回、47都道府県を巡っていますが、どんなに小さな街にもライブハウスというものがあり、どの会場にも『大きい音を浴びてぇ』『音楽聴きたい』っていう人が集まっています。そのひとりひとりは、きっと『チケットぴあ』とかでチケットを買って、その日を楽しみに日々生活している。その上でのライブ空間こそが僕にとって一番信じられるもの。インターネットでもSNSでもなく、やっぱり僕にとっては『ここ』が一番なんです。お客さんの歌声だったり、拍手だったり、怒号だったり、緊張感だったり。このライブの空気を味わいたいたくて、今日も富山まで来ました」 中半までは銀杏BOYZの新旧の楽曲が演奏され、弾き語りだからこそより強く感じたのが銀杏BOYZの楽曲の多彩さだ。 もちろん「銀杏BOYZらしいメロディ」「峯田にしか表現できない独特の歌詞」といった傾向はあるが、この弾き語りによって次々に演奏される楽曲たちは、1曲として似たようなものはなく、それぞれ強い個性を放っており、オーディエンスもまたそれぞれの生活の中で何度も聴き込んだであろう「あの曲」たちを前に、ある人は一緒に歌い、ある人はじっと聴き入った。
「自分のことだけは絶対に殺さないで」
中半から後半にかけては「恋は永遠」「いちごの唄」「GOD SAVE THEわーるど」といったポップチューンが次々と演奏され、本編のクライマックスでは「BABY BABY」で大合唱。峯田が言う「一番信じられるもの」がいったんは終わった。 峯田は長めのMCでこうも語った。 「正直、他人のことなんて関係ないんですよ。でもひとつだけお願いがあります。自分のことだけは絶対に殺さないで。そうすれば、こうやってまたライブで会うことができるから。ライブハウスに来れば、また一緒に歌ったり、一緒に音楽を楽しむことができるから。だから、何があっても絶対に死なないで」 アンコールでは、銀杏BOYZ の弾き語り楽曲としては馴染み深い「あの曲」で締め括られ、全17曲を終了。汗でボロボロになった峯田はオーディエンスに深々と頭を下げて「また会いましょう」とステージを後にした。