スタメンのうち8人が2年生の津工、3-0で伊賀白鳳を下し決勝へ
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)三重予選は31日、準決勝を実施。伊賀白鳳と津工による第2試合はMF6山本遼生(2年)の先制点を皮切りにゴールを重ねた津工が勝利し、2日に行なわれる決勝へと駒を進めた。 【フォトギャラリー】伊賀白鳳 vs 津工 今年の津工はスタメンのうち8人を2年生が占める若いチームだが、昨年はルーキーながら出場機会を得ていたFW9溝部憧(2年)を筆頭に力のある選手が多い。「2年前の選手権に出たメンバーは良い練習をして、試合に入っていた。今年の2年生は練習だと大したことがないけど、試合に合わせるのが上手い」と評するのは片野典和監督で試合運びが上手く、昨年の東海ルーキーリーグ2部で優勝。今年1月に行なわれた新人戦でも優勝の原動力となった。 3回戦からの登場となった今大会も2試合続けて3得点をマーク。「ウォーミングアップから雰囲気が良かったから、試合の入りが良かった」とMF10土谷飛雅(3年)が振り返るこの日も序盤から持ち味を発揮する。前半5分には土谷からのパスを受けたMF11岸修斗(3年)がゴール前にクロス。相手が弾いたこぼれ球をMF6山本遼生(2年)が決めて先制すると、12分には岸の右クロスから土谷がシュート。GKに弾かれたところを自ら押し込み、早々とリードを2点に広げた。 幸先の良いスタートを切った津工だったが、ここからが続かない。昨年の選手権準々決勝でも津工は伊賀白鳳から前半だけで2点を奪ったが、気を緩んだ結果、後半に1失点。「次に繋がらないゲームをした結果、準決勝で宇治山田商に負けてしまった」と振り返る片野監督はこの日、試合前から点を取っても気を緩めないよう声を掛けていたが、順調すぎるスタートを切ったことで心の隅に“行けるだろう”という甘さが出て、流れが悪くなる。 対する伊賀白鳳は昨年、早生まれとしてミニ国体のメンバーにも選ばれたDF笠次泉流(3年)が累積で出場停止という苦しい台所事情だったが、試合を託された選手が意地を見せる。24分にはDF5柘植羅夢斗(3年)からのパスを受けたFW11ヤトヤマ・ユキオ(2年)の低いクロスがゴール前に入ったが、中と合わず。27分にはヤトヤマのパスから、MF7葛原敏史(3年)が右サイドを抜け出そうとしたが、並走したDF22山崎蒼葉(2年)のスライディングに阻まれ、シュートには至らない。以降はMF15ニャンゴロ・ライラ(2年)が見せた中盤での奮闘もあり、0-2のまま試合を折り返した。 3点目を決めて勝利を確実な物にしたい津工は後半に入り、重心が低かったサイドに高い位置を取らせることで攻撃をてこ入れ。交代カードもフル活用することで攻撃のギアを再び入れる。だが、伊賀白鳳が引いてゴール前を固めてきたため、思い通りにシュートまで持ち込めない。 後半8分にはMF15林叶希夢(2年)が守備ブロックの前からシュートを放ったが、GKの正面。19分には左CKから放ったMF8荒木天真(3年)のヘディングシュートも得点には至らない。それでも果敢に攻め続けると、34分には山本遼からのボールを貰ったMF25豊田亘(2年)がゴール前にスルーパス。抜け出した溝部が倒されPKを得ると、自らが豪快に決めて3-0で津工業の勝利となった。 2年前の選手権開幕戦で国立競技場のピッチを経験してから、津工は全国大会に出ることではなく、全国大会で勝つことを目標にしてきた。今年は選手権で2回勝利し、年越しを東京で過ごすことが目標。そのためには県内で負けるわけにはいかず、新人戦、インターハイ、選手権の3冠、そしてプリンスリーグへの昇格を目指している。この日は決して満足のいく内容とは言えなかったため、決勝では津工らしく戦い2つ目のタイトルを手にするつもりだ。 (取材=森田将義)