〝交流の懸け橋〟に意欲 4、5日に豪州モートンベイ市長来日 理大生2人が通訳に【山陽小野田】
山陽小野田市と友好都市協定を結ぶ豪州モートンベイ市のピーター・フラナリー市長が、4、5日に来日する。市内で行われる交流事業で通訳を務めるのは、山口東京理科大薬学部5年の梶本莉世さん(26)と田苗悠華里さん(25)。〝両市のさらなる交流の架け橋〟となるよう、意欲を見せている。 梶本さんは小・中・高校時代を奈良県で過ごし、田苗さんは熊本県出身。医療の道を目指す2人にとってこれまでの英語は、受験勉強の一つにすぎなかった。同学部の桃渓江教授が課外活動として教える英会話教室に参加したことをきっかけに、国際交流への関心が高まった。今では日常生活には困らないほどの英語力を身に付けている。 研究室の先生でもある桃渓教授の勧めで、両市の交流事業に関わることを決断。8月に両市長によるオンライン対談で通訳デビューを果たし、9月にモ市のレッドクリフ・ステート・ハイスクールの生徒が市内を訪れた際には、地元の中・高校生とのコミュニケーションを支援した。 2度の通訳を経験し「瞬時に別の言語に置き換えて伝えるのが難しい。直訳できなければ知っている単語で表現する必要がある」と口をそろえる。梶本さんは「始めはすべての会話を通訳しようと臨んだが、生徒たちが積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿を見て、必要な場面だけ通訳しようと思った」と心境の変化を語った。 田苗さんは「この大学に入らなければ、通訳に関わる機会はなかっただろう。医療の世界では最先端の情報を得るのに英語が不可欠。本当の意味でのコミュニケーション力が向上しそう」と、さらに通訳に取り組む意欲を高めた。 フラナリー市長は2日間の日程で、歓迎セレモニーや小学校での給食体験、同大訪問、酒造見学、ガラス制作体験などを予定。「オフィシャルの場面で大事な発言を取りこぼさないだろうか」という不安もあるが、「この経験が社会に出た時、自分たちのアイデンティティーになっていれば」と前向きだ。