阪神・オリックスVパレードの裏にキックバック疑惑 斎藤知事らの意向で金融機関への補助金を増額か 片山副知事も協賛集めに奔走? 告発文書の調査で百条委
兵庫県の斎藤元彦前知事への告発文書を調査する百条委員会が24日開かれ、昨年のプロ野球・阪神とオリックスの優勝パレードをめぐる疑惑などについて証人尋問が行われました。
百条委員会は、来月17日投開票の兵庫県知事選への影響を考慮し非公開で開催され、24日と25日の2日間で、斎藤前知事の側近だった片山安孝元副知事ら11人が出頭して証言する予定です。 死亡した元・西播磨県民局長(当時60)が作成した告発文書は「兵庫県が金融機関への補助金を増額してキックバックさせ、パレードの経費を補った」と記しました。 これまでに斎藤前知事や片山元副知事は、この疑惑を否定しています。 証人尋問は25日も行われ、幹部職員らの発言については、知事選のあとに内容が公開される予定です。また、斎藤前知事の証人尋問の日程も知事選以降に調整されます。
「優勝パレードの裏で…」 兵庫県が補助金増額し金融機関にキックバックさせていたか
去年、大阪府と兵庫県で行われたプロ野球・阪神とオリックスの"Vパレード"の開催費用は、クラウドファンディングと企業からの協賛で賄う予定でした。しかし、必要額を大きく下回りました。 内部告発によると、そこで兵庫県は信用金庫に対する補助金を増額しました。その後、信用金庫から兵庫県に対してパレードに対する企業協賛が相次いで集まりました。内部告発は、補助金のキックバックではないかと主張し、その司令塔は片山元副知事だったとしました。
内部告発文書によると昨年11月9日、産業労働部に約1億円の補助金を要求するという動きがありました。ところが14日から16日にかけて、産業労働部は片山元副知事の指示を受けて補助金の要求額を1億円から3億7500万円に増額しました。21日、財政課は斎藤前知事の査定を受けて、4億円の補助金を計上しました。そして、23日にパレード当日を迎えました。 パレード前の協賛には、17日からパレード終了後の30日にかけて、13の金融機関が協賛に名を連ねることになりました。 newsおかえりの取材に対しある信用金庫は、"D信用金庫"からの強い要請で協賛したと答えました。その"D信用金庫"は、信用金庫の理事長と片山元副知事が一緒に仕事をした過去があり、D信用金庫にパレードの2日前に片山元副知事が突然来て「パレード資金が足りない」と協賛についての要請があったということです。ただ、キックバックについては否定しています。 片山元副知事も7月、「信用金庫への依頼はしたが、補助金をキックバックするように言及したことはない」と述べています。
実際にパレードに協賛した企業70社のうち、片山元副知事や県の担当部署の幹部が直接訪問に行ったり電話をしたのが39社あるということで、副知事や幹部がこれだけ動くのは異例です。 百条委は非公開で行われていますが、有権者に情報を提供する意味でも選挙前に発言内容を公開するなどして透明性を確保することが求められそうです。