任天堂はこの機を狙った? 訴訟でも「パルワールド」はTGS大出展…「和解はないのでは」と専門家
国内最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ2024」が、9月26~29日まで千葉・幕張メッセで開催され、会場への来場者は27万4739人と盛り上がりを見せていた。 【画像】今では少なくなったコンパニオンの姿も…豪華だった「ポケットペア」のブース
出展ブースの大きさや豪華さでどのジャンルの勢いがあるかが垣間見えるゲームショウは、現在の業界の縮図といえる。たとえば、PCゲームやゲーミングPCのブースの増加はコンシュマーでなくパソコンでゲームを遊ぶ層の盛り上がりを示しているし、スマホゲームでは以前のような国内メーカーの大ブースは影をひそめ、中国発のゲームが台頭している。サウジアラビアの国家プロジェクトのゲーム部門である「Qiddiya Gaming」は、サイバーパンクをイメージしたブースを出展していた。 そんな中、注目を集めていたのは「ポケットペア」のブースだった。今年1月に発売し、2カ月で692億円を売り上げたゲーム「パルワールド」を開発した企業である。
豪華な「パルワールド」ブース
ゲームショウへの出展は今年が初。ブースの大きさはカプコンやコナミといった大手企業には及ばないものの、それに次ぐ規模だ。「パルワールド」の世界観を表現した内装も凝っており、ゲームに登場するキャラクターの大型模型も複数あった。 また、コンパニオンを置かなくなった企業も多い中、ポケットペアのブースではコンパニオンのほか、火将ロシエル、かれしちゃんなど雑誌グラビアにも登場するコスプレイヤーが多くの来場者を迎えていた。同社の広報に予算を聞いたところ「そのあたりはお答えはできない」ということだったが、力の入れ具合はうかがえた。 ポケットペアが注目されていたのには他の理由もある。ゲームショウ直前の9月18日、任天堂と株式会社ポケモンが「パルワールド」が特許権を侵害しているとして、東京地方裁判所に訴訟を提起したのだ。 1月19日の発売当初から、「パルワールド」の登場するキャラや世界観が「ポケットモンスター」に酷似していると、ネット上を中心に指摘されていた。1月25日にはポケットモンスターに関連した事業を行う株式会社ポケモンが「お客様から、2024年1月に発売された他社ゲームに関して、ポケモンに類似しているというご意見と、弊社が許諾したものかどうかを確認するお問い合わせを多数いただいております。弊社は同ゲームに対して、ポケモンのいかなる利用も許諾しておりません。なお、ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく所存です」と声明を発表していた。その約8か月後に、ポケモンは任天堂と連名でポケットペアへの提訴に踏み切ったわけである。