試合前に円陣を組む阪神ナイン。負けられない試合が続く

マーリンズ4－20ドジャース（19日、マイアミ）朝からとんでもないものを見せられた。というより、見てしまった。 6打数6安打、3打席連続本塁打、10打点、2盗塁 大谷翔平が一気に「50－50」を超えた。君は本当に人間なのか？　こんなことを言ったら失礼かもしれないが、どこか別の惑星からやってきた宇宙人のように思えてきた。 海を渡ってから、サイクルヒットやオールスターゲームでのホームランなど、これまで数々のインパクトを残してきた大谷だが、この日の出来事は個人的な衝撃度ではナンバーワン。試合後、本人は「一生忘れられない日になる」と語ったが、われわれ野球ファンの記憶にも一生残る日となった。「50－50」の記録達成をこんなド派手な形で決めるとは、さすがスーパースターだ。 9月20日（大谷の試合が行われたのは現地時間19日だけれど）は日本でも過去に偉業が生まれている。1972年、前日に6試合連続本塁打の日本記録を樹立した王貞治（巨人）は、阪神戦（甲子園）の一回に村山実から7戦連発。86年のバース（阪神）と並び、今でも最長記録となっている。 もうひとつは94年。この年、登録名を本名の「鈴木一朗」から変更し、素質を開花させたイチロー（オリックス）はヒットを量産する。藤村富美男（阪神）が持っていた191安打のシーズン最多記録を更新すると、9月20日のロッテ戦（神戸）で六回に園川から二塁打を放ち、日本プロ野球史上初のシーズン200安打に到達。現在は試合数が増え（当時は130試合）、イチロー以外に6人が達成している大台だが、大記録であることに変わりはない。 ちなみに、大谷は今季51盗塁。イチローがマリナーズ時代の2001年にマークした56盗塁の日本選手メジャー最多記録も見えてきた。 そして、この日は阪神でも節目の大記録が誕生した。今季限りで現役を引退する秋山拓巳がウエスタン・リーグの広島戦（由宇）に引退表明後初登板。3イニングを投げたことで、2軍公式戦での通算投球回が1000回⅔となり、大台を突破した。 この「1000」という数字。1軍では金田正一（国鉄、巨人）の5526回⅔を筆頭に珍しい記録ではないが、2軍公式戦では初めての偉業だ。タテジマ一筋15年、1軍で49勝を挙げている秋山がファームでも腐らずに頑張ってきた証しだろう。2軍での通算72勝も歴代最多。川井貴志（ロッテ、楽天）の876回⅔＆60勝がともに2位だが、通算17年かけて積み上げたことを考えれば、秋山の記録が抜かれる可能性は低いように思える。