『おむすび』橋本環奈「好きだよ、バーカ」が微笑ましい 高校生活の集大成エピソードに
栄養士を目指す進路として意識し始めた結(橋本環奈)
ドラマ的には結に生じた心境の変化が重要だ。夢を追う人を応援して、その人が敗れると周囲の人も落ち込んでしまいがちである。何と言って声をかければいいかわからないし、必死で支えてきたことが無駄だったのではないかと疑念も湧く。翔也が前を向いたことで、結は自分のしてきたことは意味があると感じたはずだ。そこに未来へ続く道があると思えたからこそ、栄養士を単なる職業ではなく目指す進路として意識できたのだと思う。 第34話は結の原点となるエピソードだったが、聖人(北村有起哉)にとっても転機になりうるものだった。「バーバーヨネダ」のあったビルがテナントを募集していると聞いて、直接足を運ぶところに、神戸に対する愛着の深さが表れていた。神戸は糸島から出てきた聖人が仕事をし、家族を持った土地で第二の故郷といえる。自ら選んだ場所だから、それだけ思い入れも深くなる。結が高校を卒業するタイミングで、米田家にも変化が訪れそうだ。
石河コウヘイ