メルセデスF1、2024年マシンはハミルトンの希望通りの設計に。僚友ラッセル「変更には満足」なおハミルトンは来季移籍
メルセデスのジョージ・ラッセルは、チームが2024年シーズンのF1に投入したニューマシンW15は、チームメイトであるルイス・ハミルトンの意見をより多く取り入れて設計されたと明かした。 【リザルトはこちらから】F1 2024 バーレーンGP初日 2022年のレギュレーション変更を機に、グラウンドエフェクトカーがF1に復活。しかしメルセデスはマシン開発で後手に回り、2022年マシンのコンセプトを翌シーズンにも持ち越したことで苦しい2年間を過ごすことを強いられた。2023年シーズンの途中には大型アップデートを投入し、コンストラクターズランキング2位で1年を終えるまでに奮起したが、ドライバーのハミルトンとラッセルは、昨年マシンW14の難解なハンドリングと一貫性の無さに手を焼いた。 そんなシーズンを終えてメルセデスは、大幅に改良を施したW15を2024年シーズンに向けて用意した。コンセプトをガラリと変え、ハミルトンが不満を露わにしていたコックピット位置も要望通り後方に下げられた。 ハミルトンは昨年、チームが自身の意見を聞かずに“ゼロポッド”コンセプトを貫くことを決めたと不満を漏らしていたが、ラッセル曰く、メルセデスは現在ハミルトンの希望を受け入れており、ラッセル自身もそれを支持しているという。 「ルイスと僕は、チームが目指す方向へと舵を切るのを助けるために、膨大な労力を費やしてきた」とラッセルは言う。 「マシン(のコックピット位置)は昨年よりも後方に配置され、側面にはレッドブル風のサイドポンツーンが装着され、ステアリングラックも若干異なっているなど、見ての通りルイスの経験から、彼の望みに沿ってマシンはデザインされている」 「チームがそうやって聞いてくれたのは良いことだけど、それがラップタイムに反映されるかどうかを見てみる必要がある」 「僕らは良い位置につけると思うけど、最終的に重要なのはただひとつ。ラップタイムだ」 また、ハミルトンがメルセデスに対して求めた変更はラッセルにも好影響を及ぼすのか? と尋ねられたラッセルは次のように答えた。 「このクルマに加えられた変更には満足しているし、どんなドライバーであれ、与えられたモノには順応していかないといけない」 「今シーズン、僕らはさらに後方に座っている。僕にとっては小さな変化で、良くも悪くもない」 そしてラッセルは次のように続けた。 「ルイスと僕は、少し違った形でも非常に似たようなコメントをしてきた。彼はシート位置についてよく話していたし、僕はリヤが不安定だとよく話していた」 「最終的に、僕らはその問題を解決できたと信じている。(全てを解決する)銀の弾丸は決してひとつじゃない」 ハミルトンは2024年限りでメルセデスを離れ、2025年からフェラーリへと移籍することが決まっている。しかしラッセルは、ハミルトンがメルセデス最終年でもマシンを改善しようとする姿勢に変化はないと語った。 「僕らはふたりともシミュレータで本当にハードに働いているし、ルイスはこれまで以上にシミュレータ作業をしている」とラッセルは言う。 「ルイスはまだやる気満々だし、僕らはチームとして上手く機能している。先週末はファクトリーにいて、ふたりとも土曜日はシミュレータ作業を行なった。月曜日にはメインデザイナーやエンジニアを集めて、大規模なチームミーティングを行なった。何か変わったとは感じていないよ」 「僕らは前進しようとしているし、結果が楽しみだ」 「現時点ではレッドブルが良い基盤を築いているけど、僕らにもこれから積み重ねていく強力なベースがある」
Filip Cleeren
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