「祇園祭はショーではない」 八坂神社の宮司“高額”観覧席に異議唱え…
日テレNEWS NNN
日本三大祭りの一つ、京都市の祇園祭で、“プレミアム観覧席”を巡り、祭りを執り行う神社と観光協会の間に溝ができていましたが、20日に両者が一緒に会見を行いました。
八坂神社 野村明義宮司 「行政と神社側の隔たりのなかで、こういうことが起きてしまった。祭り行事として神様を感じ取っていただけるようなやりかたではない」 20日に会見を行ったのは、祇園祭を執り行う八坂神社の野村宮司と京都市観光協会です。今回、会見を開いた理由には、祇園祭を巡る、ある“モメゴト”がありました。
ことの発端は、山鉾巡行の見せ場「辻回し」を、酒や料理を楽しみながら目の前で見ることができる「プレミアム観覧席」です。 この席は去年から発売され、1席40万円という価格設定もあり、話題となりました。このプレミアム観覧席を巡って、八坂神社の野村宮司が「祇園祭はショーではない」と異議を唱えたのです。祭りは神事であるという立場から疑問を呈し、自らが務める京都市観光協会の「理事から降りたい」という意向を、周囲に漏らしていたというのです。
一方、観光協会としては、高額チケットの販売は、コロナ禍で打撃を受けた祇園祭の保存や継承のための新たな収益源という狙いもあり、今年は食事の提供などを見直し、15万円に値下げした上で販売していました。 ◇ こうしたなか、20日の会見で野村宮司は「八坂神社として酒を観覧席で出すことを推奨することはできない」とコメント。一方、会見に同席した京都市観光協会は、「今年はソフトドリンクは提供するが、お酒の提供は行わない」と発表し、騒動は決着しました。