漂流日本人殺害が発端の「牡丹社事件」 展示施設が開館/台湾・屏東
(屏東中央社)日本からの漂着民殺害を発端とする牡丹社事件(台湾出兵)を紹介する「牡丹社事件館」が14日、南部・屏東県牡丹郷に開館した。現地の台湾原住民(先住民)族の視点から事件の歴史を伝える。 牡丹社事件は、1871年に台湾南東部に漂着した宮古島島民54人が原住民族パイワン族に殺害されたのを受け、74年に日本軍がパイワン族集落の牡丹社(現在の牡丹郷)などへの侵攻を図り、台湾南端の恒春半島一帯で約半年間にわたり占領体制を敷いた一連の出来事。 この日行われた記念式典には、周春米(しゅうしゅんまい)屏東県長や潘壮志牡丹郷長、原住民族委員会のツァリバト・ガドゥ副主任委員(副大臣)、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会高雄事務所の奥正史所長らが出席した。 牡丹郷公所(役場)によれば、同館は予約制。入館予約は郷公所農業観光課が受け付ける。 (黄郁菁/編集:田中宏樹)