カランカランアイス体験で屋台を引く参加者

　高齢化などで売り子が減少している青森県弘前市の風物詩、屋台アイスの担い手確保につなげたいと、弘前観光コンベンション協会と金正藤田正紀商店（藤田アイス店）は9月28日、弘前市の市まちなか情報センターで「カランカランアイス体験会」を開催した。参加者は売り子体験を通して屋台アイスの歴史や現状を楽しく学んだ。 　体験会は午前と午後の2回実施。このうち午前の部には10人が参加した。参加者たちは、売り子にアイスを卸している同店の藤本レイ子社長による座学の後、屋外へ移動。塩と氷が詰められていることで保冷性が保たれている屋台の内部構造を見学したり、屋台に付いている鐘を「カランカラン」と鳴らしながら数メートル引いてみたりした。 　盛り付けでは、参加者は冷えてポロポロとこぼれるアイスに苦戦しながらも、へらで思い思いに盛って味わっていた。 　鶴田町から参加した下山千香さん（49）は「屋台アイスがバナナ味だとはびっくり。盛り付けは難しくて熟練の技なんだなと思った。楽しかった」と笑顔。学生時代に売り子のアルバイトをしていたことがあり、再び売り子をすることに興味があるという同市の岩崎桃子さん（28）は「こんなにアイスの売り子が減少しているとは思わなかった。地域を盛り上げることに貢献できたら」と話した。