妊娠を望んでいるのに妊娠できない・・・。33歳で不妊治療をスタートしたまんが家。流産を経験しながら体外受精でわが子に出会うまで
不妊治療や検査を受けている夫婦の数は4.4組に1組(※)で、年々増加しています。まんが家の藤本ハルキさんも、かつて不妊に悩む女性の1人でした。妊活を始めても授からないことに不安を感じて、33歳のときに産婦人科を受診。その後の怒涛の第一子出産までの日々について、藤本さんに話を聞きました。全2回インタビューの1回目です。 【画像】排卵とセックス、年齢別の妊娠率について ※ 厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」より(2021年調査)
妊活半年で、不妊治療を考えた理由
――藤本さんが不妊治療を始めたきっかけを教えてください。 藤本さん(以下敬称略) 32歳で妊活を始めてから、半年たっても妊娠に至らなかったのがきっかけです。当時の不妊の基準は「妊娠を望む男女が2年間の性交渉で妊娠しないこと」(注/現在は1年)だったので、半年での受診は速い判断だったと思います。ただ、私は幼少期からぜんそくの既往歴がある上に、月経が重く、周期も安定しないなど自分の体調に自信がなかったので、何か原因があるのかなと思って近所の産婦人科を受診することにしました。 ――どんな治療を受けていましたか? 藤本 近所の産婦人科では、不妊の相談は受け付けていましたが、専門的なものではありませんでした。それでもタイミング法(※1)を受けながら、卵管に詰まりがないか調べる「卵管造影検査」をして、1年くらい通っていました。 ――その後、不妊治療専門のクリニックに転院されましたが、きっかけは? 藤本 同じく妊活中だった知人にたまたま会ったときに、「とてもいいところだから」とそのクリニックをすすめられたんです。私たちもそろそろ次にステップアップしたほうがいいのかな…と思っていた時期だったので、転院しました。 本格的な不妊治療のスタートにあたって、夫と話し合って決めたのは「治療期間は40歳まで」という年齢のリミットです。赤ちゃんが生まれない可能性も十分に高かったのですが、「頑張ったという証拠を残しておきたい」という気持ちと、できる限りのことをしたい、後悔したくないという思いがお互いにありました。 ※1 タイミング法/最も妊娠しやすい排卵日を予測して、性交渉のタイミングを医師が指導すること。