【競輪祭】新山響平「ここを優勝してグランプリに行きたい」
◆第66回競輪祭(G1、小倉競輪 初日=19日) 新山響平(31)=青森・107期=が19日、8R(18時25分)一次予選1に出走する。 余計なことは考えない。目の前の一戦に全神経を降り注いで挑むだけだ。今年は、5つのG1のうち、4度の決勝進出。着実に賞金を積み重ね、ランキング7位と、安定した走りを見せてきたが、決して納得していない。「寛仁親王牌の決勝とか、ですよね。賞金が大きいので考えすぎて攻め切れなくて、みっともない走りをしてしまった。修正して走らないと」。目指すところは明白だけに、改めて気持ちを入れ直して今年最後のG1に乗り込んできた。 そんななか、前回の四日市記念(《9》〈1〉〈1〉《1》着)では、初タイトルを獲得した22年の競輪祭以来、久々の美酒を味わった。決勝は、打鐘前から一気に叩いた中野慎にしっかり付け切ると、4番手から仕掛けた寺崎浩に合わせて、最終3角で番手発進を決めて押し切った。「決勝でも勝ち切れる力があったのに、花を持たせてくれるように行ってくれた中野君のおかげ。いい後輩を持ったな、と」と感謝しきり。 なかなか結果に結びつかない苦しい状況が続いたが、自転車と真摯(しんし)に向き合いながら取り組んでいる。「その時、その時の感覚と体の感じ方が違うので、自転車をいじりながらいい状態で走れるように。今回も今の状態の中ではベストだと思ってきた。いい状態で入ってこられたし、ドームは走りやすくて、自分の持ち味を出しやすい。ここを優勝してグランプリへ行きたいので、積極的に走っていきたい」。攻めの姿勢を取り戻した22年の覇者が、初戦から全開でスパートする。 (上倉 健)
報知新聞社