瀬戸大橋架線切断事故、渡り板見つからず乗客の救出2時間遅れ JR四国が経緯発表(愛媛)
JR瀬戸大橋線の快速列車が海峡部の橋上で約6時間にわたり立ち往生した10日の架線切断事故で、JR四国は20日、経緯検証を発表し、救助用の列車を横付けして乗客に乗り換えてもらう際に使う渡り板を準備するのに手間取り、救出を始めるのが2時間程度遅れたと明らかにした。架線が損傷した原因については特定できず、15日に鉄道総合技術研究所(東京)へ調査を依頼した。 JR四国安全推進室などの説明では、事故現場に近い岡山県のJR児島駅に配備している渡り板が社内手順の定める保管場所になく、香川県の坂出駅の板を手配して児島駅まで自動車で運んだため、救助に向かう列車の出発が遅れた。その後、児島駅の板は構内の別の場所で見つかった。 渡り板は金属製で、主に瀬戸大橋線の非常時に使う救助用具として本州側の児島、四国側の坂出、宇多津の3駅に配備され、JR四国が管理している。児島駅では2013年に保管場所を変える旨の車内記録が残っていたが、手順に反映するのを怠っていた。
愛媛新聞社