81歳の現役野球部コーチ・松岡功祐の夢は、佼成学園の甲子園出場とNPBへの完全復帰!
「毎朝、シャワーを浴びる時に、爪先立ち、伸脚運動やスクワットをやります。風呂場から出て、ストレッチと腹筋、背筋、腕立て伏せをする。そのあと、4kg、8kg、10kgの鉄アレイを上げます」 夕方からの佼成学園での練習を終えた後も同じ運動を繰り返す。 「よほど疲れていない限り、毎日やります。シャワーを浴びたあとに、冷水を浴びるのも習慣にしています。冬なんかは身が切れそうですが、おかげで風邪をひいたことはありません」 練習のない火曜日以外は、毎日ノックをしている。 「年をとったとか、衰えを感じたことはありません。自分で言うのもなんですが、むちゃくちゃ元気ですよ」 ■コーチ就任3年目で目指す甲子園 佼成学園は2020年、甲子園が開催されなかったあの夏に、西東京の独自大会で準優勝している。しかし、その後はシード権を獲得しながらも、頂点にはたどりつけない。2023年夏の西東京大会では準々決勝で敗れた。 佼成学園には100人を超える部員がいる。明治大学の飯森太慈(2023年春に首位打者、ベストナインを獲得)など、好選手を大学に送り込んでいる。 しかし、いい選手を揃えながらも、強豪校との競り合いで敗れることが多い。そこを打破するための切り札が松岡だった。 佼成学園の藤田監督は言う。 「松岡さんに指導に加わっていただいてから、守備力は格段にアップしました。強豪相手の厳しい試合展開でも、自信を持って守ることができるようになった。もう一息です」 佼成学園は今年2024年の春季東京都大会で日大三を撃破してベスト16入り。優勝した帝京に1対6で敗れたものの、夏の西東京大会のシード権を獲得している。松岡には確かな手応えがある。 「コーチを引き受ける時、藤田監督に『3年で甲子園に連れて行きます』とタンカを切りました。この夏でその3年目、勝負なんですよ。いいピッチャーがいますし、チーム力は確実に上がっています」 松岡は高校生の指導のほかに、中学生のスカウト活動にも関わっている。有望選手を探すために、東京都以外の中学生の練習を見ることも多い。 「シニアやボーイズ、ポニーリーグの練習を見させてもらうことも多いのですが、大きな声で怒鳴ったり、暴言を吐いたり、態度の悪い指導者がまだまだいますね。選手に対する罵声を聞くこともあります。あれはどうなんでしょうか」 命令口調で選手を叱り飛ばす監督やコーチは珍しくない。