新型ヤリスクロスGRスポーツはクルマへの情熱が目覚めるかもしれないコンパクトSUVだった! トヨタ流ホットハッチとは
一部改良を受けたトヨタの新しい「ヤリスクロスGRスポーツ」は、新感覚のコンパクトSUVだった! 小川フミオの印象とは? 【写真を見る】新型ヤリスクロスGRスポーツの細部(16枚)専用装備の数々とは
価格競争力も高い!
扱いやすいサイズのクロスオーバーとして人気のヤリスクロス。そのスポーツバージョンがヤリスクロスGRスポーツだ。2022年7月に発表され、2024年1月にマイナーチェンジを受けた最新型に試乗して、燃費と性能の両立に感心してしまった。価格競争力も高い。 ヤリスクロスGRスポーツがクルマ好きの興味を惹くのは、まずウェブサイトだろう。「サーキットやレース・ラリー等のスポーツ走行に起因する不具合については(製品)保証の対象外」と、トヨタが大書しているのだ。運転が楽しめるコンパクトSUV好きなら食指が動くはず、だ。 2024年3月に試乗したのは、ヤリスクロスGRスポーツハイブリッドの前輪駆動版。1490ccの直列3気筒エンジンにバッテリー駆動のモーターを組み合わせ、116psのシステム最高出力を誇る。 ホットハッチとはクルマ好きが呼ぶ、スポーティなハッチバックを指す。歴史は長く、1970年代のフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」やルノー「5アルピーヌ」など、当時衝撃的で、いまも名車としてモダンクラシックの市場で人気が高い。 最近は、モデルチェンジを繰り返してきたゴルフGTIの最新版(4WDのゴルフRもある)や、いよいよ販売(生産)中止が間近になってファンをやきもきさせているルノー「メガーヌR.S.ウルティム」などが、最後の(?)スポーツエンジン車として、ホットハッチファンの人気を呼んでいる。 そこにあって、ヤリスクロスGRスポーツの興味深いポイントは、ガソリンエンジン車と、今回のハイブリッド車の2本立てで製品展開をしている点だ。かつてはすぐにでも全車ピュアEV化などと言っていたドイツの自動車メーカーが、昨今ではパワートレインの多様性をうたっているぐらいで、トヨタの戦略は市場でも歓迎されているようだ。 ヤリスクロス標準モデルに対して、ボディ剛性をあげ、専用サスペンションシステムを採用し、ドライブシャフトも専用のものが採用されている。さらにパワートレインと電動パワーステアリングの制御もGRスポーツ専用。18インチ径のアルミホイールのスポークのあいだから赤いブレーキキャリパーが見えているのもいい感じだ。