<プロ野球速報>阪神・マートンが“NPB最速”1000本安打を達成
阪神DCで評論家の掛布雅之氏は、マートンがシーズン最速の1000安打を達成するなど、日本野球に適応した理由を、役割と技術の2面から、こう分析している。 「通常、外国人には大砲として長打を求められるが、2010年当時は、結果的に47本塁打を放ったブラゼルがいたため、チームは彼に、そこを求めなかった。マートンは、長打を狙ってバッティングを崩すことなく、ストレートに差し込まれても右方向に打つなどスタイルを守り続けることができたことが大きいと思う」 ホームランは、2013年の19本が最多。長打を求められない助っ人は異例ではあったが、右打者で、これだけの安打数と高打率を残す背景には技術的な裏付けもあるという。 掛布氏は、2010年の春季キャンプで、右方向を意識しているバッティング練習を見たときから、「日本野球に対応できるのではないか」と予想していた。 「極端に言えば、グリップをヘソに落とすくらいに、ボールを捉えるポイントにバットが縦に最短距離で直線的に入っていく。そういうバッティング技術を持っているので、必然、ポイントが体に近くなり、ボールの見極めもできて、多くの外国人が戸惑うことになる日本人投手の変化球への対応力が生まれた。ただ、今季は、ストライクゾーンの変化に神経過敏になるなどして序盤は調子を落とした。ここから先、ゴメスとマートンの打つ打たないが阪神の優勝を左右するだろう」 マートン自身も研究熱心で、ノートに相手投手の癖や傾向を書きとめているのは有名な話。球史に名を連ねたヒットメーカーが、この先の阪神の優勝争いのキーマンであることは間違いない。