ラグビー京産大 11度目の正直へ、PR川口が押し切る 「本命」早大撃破に向け「ぶち壊す気持ちで」
ラグビーの大学選手権は1月2日に東京・国立競技場で準決勝が行われる。4大会連続で4強入りした京産大は12月31日、早大戦に向けて京都市内で調整。メンバーも発表され、体重129キロを誇るPR川口新太(4年=東海大大阪仰星)の今大会初先発が決まった。準決勝は過去10戦全敗の鬼門だが、V候補相手にスクラム職人投入で勝負をかける。 スクラム自慢の巨漢PRが大一番でスタメンに名を連ねた。大会前のケガもあって大学選手権では途中出場を続けてきた川口だったが、早大戦で初めて先発起用されることになった。「FW戦で優位に立ちたい」という広瀬佳司監督の意図を本人も十分に理解しており、24年最後の練習を終えて言葉に力を込めた。 「自分が4年間、やってきたのはスクラムやセットプレーの部分。その中でもスクラムは一番、魅せられるプレーなので。そこで目立ちたい」 京産大は過去10度、4強入りしながら一度も決勝には進めていない。悲願の日本一へ、大きく立ちはだかってきた“準決勝の壁”。川口自身も過去2大会で国立のピッチに立ち、悔しさを味わってきた。 対する早大は関東対抗戦を無敗で制した優勝候補の本命。今回の壁も高くて分厚いが、チーム状態は上向きだ。関西リーグは終盤の2連敗で4連覇を逃したが、大学選手権に入ってからは青学大、大東大に快勝。自信を取り戻し、東京に乗り込む準備は整った。 「凄くでっかい壁だけど、越えるのではなく、ぶち壊す気持ちでいきたい。チャレンジャーとして臨んで、自分たちの代で“いったろう”という思いがある」 東海大大阪仰星3年時に元木由記雄GMの熱烈な勧誘を受けて京産大に進学。日本一とも称されるハードな練習で鍛えられ、スクラムやFW戦にこだわる京産大のエースナンバー、背番号3を背負うまでになった。11度目の正直へ、押して押して押しまくる。 (西海 康平) ◇川口 新太(かわぐち・しんた)2002年(平14)5月24日生まれ、兵庫県宝塚市出身の22歳。3歳の時、宝塚RSでラグビーを始める。東海大大阪仰星では3年時に冬の花園大会出場。50メートル走7秒2。1メートル86、129キロ。プロップ。