“サプライズ招集”佐野航大20歳にもチャンスあり…パリ五輪代表をつかむのは誰か? アメリカ遠征メンバーから分析する「サバイバルの最新序列」
残された時間で、どこまで競争力を上げられるか──。 パリ五輪に出場するU-23日本代表が、6月7日と11日にU-23アメリカ代表と対戦する。アウェイでの連戦は、メンバー発表前最後の活動だ。 【写真】「ほ、本当に20歳?」オランダで覚醒した佐野航大の貫禄がエグい…! 黒髪時代もヤンチャそうな松木玖生16歳、髪サラサラな長谷部誠22歳など日本代表レア写真も一気に見る(全70枚) 大岩剛監督は、25人の選手を選んだ。代表活動は23人のチーム編成が基本だが、昨年11月の活動は26人で行なっている。指揮官が「チーム力、競争力をいま以上にあげるため」と話したように、これまで招集できなかった選手をテストするための「プラス2」と考えるのが妥当だ。
枠は「両サイドで3人」か? 再激戦区のウイング
アタッカー陣では、オランダ・エールディビジでプレーする3人が招集された。三戸舜介、斉藤光毅(ともにスパルタ・ロッテルダム)、佐野航大(NEC)だ。いずれもU23アジアカップには出場していないタレントである。 主戦術の4-3-3に当てはめていくと、三戸は右ウイング、斉藤は左ウイングでの起用が濃厚だ。右ウイングでは山田楓喜がU23アジアカップで序列をあげたが、今回は招集されていない。このポジションでは、スピード豊かな松村優太(鹿島アントラーズ)も招集されている。 斉藤は左ウイングの争いに参戦する。こちらは佐藤恵允と平河悠が主戦場としている。U23アジアカップで存在感を示したふたりに、ベルギー2部のロンメル移籍をきっかけにオランダで2シーズンを過ごしてきたドリブラーが、満を持して合流してきた。左ウイングは最激戦区と言っていいだろう。 五輪の登録メンバーは18人だ。GKを2人とすれば、フィールドプレーヤーは16人になる。各ポジションに2人ずつ配置することはできない。ウイングは左右両サイドで3人、ということも考えられる。 選手選考の条件として、周囲との連携構築は大前提だ。パリ五輪は中2日で試合を消化していくので、連戦に耐えうるタフネスさも必須である。
サバイバルを突破するために求められる要素とは
そのうえで、熾烈なサバイバルをくぐり抜けるアプローチはふたつに大別できる。 ひとつ目は「スペシャリストとしての存在感」を発揮することだ。チーム戦術を遂行したうえで、得点につながるビッグプレーを見せる。自身が生きるポジションで確実に仕事をする、つまりはスペシャリストとして仕事ができる選手は、どんな監督にとっても魅力的だ。中3日の日程で2試合を消化する今回のU-23アメリカ代表戦で、「個」の力で目の前の相手を剥がす、守備組織を打開できるところを見せた選手が、パリ五輪に大きく近づく。 ふたつ目は「ポリバレントな資質のアピール」である。 限られた人数で戦術的なバリエーションを作り出し、出場停止などの事態に対応していくためには、複数ポジションに対応できるタレントは必須だ。
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