静学、3度目頂点へ…FW乾皓洋「毎試合で点を取れば得点王も見えてくる」…全国高校サッカー選手権12・28開幕
第103回全国高校サッカー選手権が12月28日に開幕。5大会ぶりの優勝を目指す静岡学園は、同29日の1回戦(埼玉・浦和駒場スタジアム)で広島国際学院と対戦する。「しずおか報知」では2年連続15回目の大舞台に臨むメンバーの横顔を、「静学、3度目頂点へ」と題して連載で紹介していく。第1回は県選手権の得点王に輝いたFW乾皓洋(3年)だ。 乾は県選手権4試合で計5ゴールを挙げて、得点王とベストイレブンに選ばれた。身長173センチと決して大柄ではないが、浜松開誠館との決勝では最前線で相手DFと激しく競り合い、値千金の先制点を奪った。中学まで過ごした大阪の友人たちからも祝福メッセージがたくさん届き、「得点王のタイトルが取れるなんて、1年前は想像していませんでした」と笑った。 好きな選手はアルゼンチン代表のメッシ。大阪・高石中央FC時代はドリブルからのシュートを得意にするFWだった。だが静学では通用しなかった。1年時はルーキーリーグで控え。「Bチームの練習試合でも点が全然取れなかった」。2年時にはコーチの指示でボランチに転向した。 結果的に、このコンバートが成功した。中盤での体の使い方を学び、トラップやボールをキープする技術を磨いた。「このままじゃ駄目だ」と自主トレにも意欲的に取り組んだ。 今年の1月の新人戦でAチーム入り。8月に以前のFWに戻ると、プレミアリーグでゴールを量産するようになった。ワンタッチでパスをさばくなど、ボランチ時代に身につけたテクニックが得点に結びついた。「今でも自分で突破するより、周りをうまく使うプレーの方が得意です」 静学のエースとして全国の舞台に立つ。3回戦で当たる可能性の高い青森山田を意識するが、まずは「目の前の相手を倒すこと」と広島国際学院との初戦に目を向ける。県選手権でも先を見ず、一戦ずつ勝つことに集中してきた。「今のチームは、それができているんです」と自信を見せた。 同時にタイトルも意識。「毎試合で点を取って勝利に貢献すれば得点王も見えてくる」と力を込めた。背番号13がゴールを重ねて、全国の頂点へ一歩ずつ進んでいく。 (里見 祐司) ◆乾 皓洋(いぬい・こうよう)2006年6月18日、大阪府生まれ。18歳。サッカーは5歳から。前所属は高石中央FC。プレミアリーグではチームトップの6得点。173センチ、66キロ。血液型A。家族は両親と弟。
報知新聞社