大型バイクに自動ブレーキ!? スクーター搭載も可能な日立アステモの低コストADAS
東南アジア向けに前後の衝突警告機能を予定
そんな日立アステモのADASは、まず、前述の通り、2028年に、東南アジア向けスクーターやコミューターなどに搭載されるユニットの量産が始まるといいます(搭載バイクのメーカーは非公開)。 なぜ東南アジア向けかというと、これも同社の担当者いわく、「バイク販売台数の伸びが著しい反面、事故も多い」ため。しかも、例えば、「平気で歩道を走るバイクがいるなど、マナーも悪い」らしく、交通環境は劣悪なのだとか。そこで、事故低減を目的に、ADASの開発を進めているのだといいます。 東南アジア向けバイクに搭載するADASMの機能は、例えば、前方認識。デモカーのCRF1100Lアフリカツインのように、フロント2か所にカメラを設置し、前車と衝突しそしそうなときにメーターなどにアラートを出す「衝突警報」や、車線をはみ出しそうなときの「逸脱警報」、標識や信号を認識して知らせる「標識認識」「信号認識」といった機能になるといいます。 また、後方にもカメラを付けることで、後方の死角から自分のバイクを追い越そうとするクルマを知らせる「死角検知」、急ブレーキなどで後方のクルマに衝突されそうなときに警告する「衝突警報」なども搭載が可能なのだとか。 いずれにしろ、元々の価格が安い小排気量のスクーターにADASを搭載するため、あまり車両価格を上げないようにするには、低コストなシステムが不可欠。そういった背景もあり、先述した低コストの小型カメラを使ったシステムを採用するのだそうです。 ちなみに、こうしたADAS機能は、まずは東南アジア向けとなりますが、国内モデルへの導入はあるのでしょうか? 例えば、最近の125ccや150ccのモデルなどには、海外で生産され、国内でも販売されているモデルも多いですよね。そうしたバイクにADASが搭載されれば、国内でも販売されそうです。 この点について、日立アステモの担当者は「可能性はあります」と言及。となれば、近い将来、ADAS付きスクーターなどが、日本の道路を走るシーンを見られるかもしれません。