大型バイクに自動ブレーキ!? スクーター搭載も可能な日立アステモの低コストADAS
コストが安く小型のカメラを採用するワケ
バイク向けには、搭載車や機能などがまだまだ少ないADAS。その背景には、4輪車と比べ、バイクの車体はかなりコンパクトなので、センサーやユニットなどを搭載するスペースが少ないという課題があります。また、あまり高度な機能を搭載すると、製造コストが高くなり、車両価格が跳ね上がってしまうというのも問題点です。 一方、日立アステモが開発中のADASでは、担当者によると「小型の単眼カメラを複数台搭載する」ことが特徴。これにより、高機能ながら、コストの高いステレオカメラやミリ波レーダーなどを使わなくても、同等の性能を発揮できるそうです。 ちなみに、単眼カメラとは、日常でよく目にする一般的なカメラのこと。例えば、4輪車の場合、バックするときに後方をセンターモニターに映し出すバックカメラといった、後方や側方の死角を補うビューカメラなどに使われています。 一方、ステレオカメラは、人間の眼のように2つのカメラで対象を測定し、より精度の高い距離測定などを可能とするもの。ADASだけでなく、4輪車で開発が進んでいる自動運転システムなどにも使われています。 もちろん、例えば、日産のミニバン「セレナ」に搭載しているADAS機能「プロパイロット2.0」では、単眼カメラを使用。高速道路などでのハンズオフ(一定条件下での手放し運転)も可能です。セレナの場合、ステレオカメラなしでも高い機能を持つので、単眼カメラと比較し、どちらに優劣があるのかは一概にいえないといえます。 でも、日立アステモの担当者が言うように、「単眼カメラの方が、バイクに搭載するには小型だし、コストも安い」のは確かでしょう。そこで、開発中のシステムでは、今回展示したCRF1100Lアフリカツインのように、フロントカウルに2つのカメラを採用。これに、ADAS専用のECU(電子制御コンピュータ)をマッチングすることで、ステレオカメラを使ったADASのような機能を持たせているそうです。