ヘアケア商品の新ブランド「THE　ANSWER（ジアンサー）」をアピールする花王の野原聡ブランドマネジャー㊧と同社ヘアケア研究所の幸克行上席主任研究員＝3日、東京都渋谷区

花王は3日、ヘアケア事業の成長力強化に向けて高価格帯シャンプーの新ブランド「THE　ANSWER（ジアンサー）」を発表した。髪を美しく整えるのに有効だが、シャンプーに溶け難く使用できなかった脂質系成分の配合を独自の技術で実現。美しい髪に必須とされる主要5種の成分を世界で初めて1つのシャンプーに配合したという。 【写真】花王が発表した新ブランド「THE　ANSWER（ジアンサー）」のシャンプーとトリートメント 今月上旬から一部店舗で先行販売を始め、11月2日に発売する。シャンプーと髪のダメージの違いに対応した3種類のトリートメントを設定。市場想定価格は各1760円。 ジアンサーの最大の特徴は、化粧品などで使われている水分と油分を交互に重ねる多層構造を新開発の特許技術でシャンプーに適用。髪の潤いや滑らかさ、まとまりにつながる脂質成分の配合量を従来品の約12倍とし、ヘアケア効果を大幅に高めた。 同社は国内トップだが、シェアが縮小基調だったヘアケア事業の改革に向けブランドの再構築に乗り出している。4月に新ブランド「melt（メルト）」を投入して、拡大している価格帯が1400円以上の「ハイプレミアム」市場に参入、ジアンサーはこれに続く高価格帯新ブランドの第2弾となる。 メルトの9月までの販売実績は計画比約2・7倍と好調で、今月から取扱店を倍以上に拡大するという。 1400円未満の既存ブランドの刷新に加え、来年には高価格帯の第3弾も予定しており、同日記者会見したヘアケア部門の野原聡ブランドマネジャーは「確固たるナンバーワンを取っていきたい」と述べ、シェア拡大に意欲を示した。