スイッチひとつでバンパーが変形ってカッコ良すぎだろ! もはや映画のような「デコトラ」のギミックに男子はノックアウト!!
フロントバンパーを破損させないための策
派手に飾ったデコトラを見かける機会が少なくなった令和の時代。そのことで一般的にはデコトラが減ったと思われがちであるのだが、じつのところはそうでもない。むしろ、その数は年々増えているといっても過言ではないだろう。時代に合わせて飾りのスタイルを変えながら、デコトラ界も日ごとに進化を遂げているのである。 【画像】まるで変形ロボットのように稼働するデコトラのバンパー 派手なデコトラで仕事がしにくくなったことと比例して、プライベートでデコトラを楽しむ人が増えた。さまざまな規制から解き放たれた彼らは愛機を思う存分飾り立てるため、とても過激なものも存在する。しかし、当然のことながら実用性も考慮しなければならない。大きなパーツを闇雲に取り付けるだけではなく、使い勝手のよさも頭に入れて飾らなければならないのだ。 その最たる存在が、可動式のフロントバンパーだ。日常生活のなかにおいてはダンプに多いのだが、フロントバンパーの位置が不自然に高いデコトラを見たことがないだろうか。これは、文字どおりフロントバンパーを破損させないための策。運転席に装備されたスイッチひとつで、フロントバンパーを上げ下げできるようにしているのである。 ステンレスや鉄の素材でオリジナルのフロントバンパーを製作する場合、大げさな話ではなく数百万の費用をかけるデコトラオーナーも少なくない。そのように高価なフロントバンパーを破損させてしまうのは、とても愚かな行為だといえるだろう。そのため数十万円の費用をかけて、フロントバンパーを可動式にしているのだ。仕事で使用されているダンプなどは整地されていない悪路を走ることもあるため、純正のフロントバンパーであっても可動式が好まれている。 その動力はエアや油圧、ダンプシートのモーターなどが一般的であるのだが、デコトラの愛好家たちは愛機を大切に扱う傾向がとにかく強い。そのため、横柄な運転をするのではなく、自ずと愛機や荷物を大切に扱うようになる。自動車の世界では、ノーマルよりも改造車に乗っている人のほうがマナーがよく、綺麗な運転をする傾向にある。もちろん目立ちたいだけとか粋がりたいという思いだけで改造をする中途半端な人も存在するが、改造車を駆るオーナーの大半は、愛機を大切に扱っている。大枚をはたいてカスタムした愛車を、だれも好んで傷めたいとは思わないだろう。 その証拠に、本格的なカスタムを施した改造車が事故の加害者となるケースは、限りなく少ないのだ。改造車と聞くだけでやんちゃだとか、タチが悪いなどと思ってしまう一般ドライバーが多いのは、無理もない話。お世辞にも、見た目では真面目に見えないからだ。だが、じつのところはノーマル車のほうがマナーが悪いということに気づかされる。 とある荷主は「トラックを綺麗に飾り洗車して大切にしている人は、荷物も大切に扱ってくれる。だから、そういう人に大切な荷物を運んでもらいたい。見た目のマイナス要因だけで判断するような浅い人間にはなりたくないね」と話してくれたことがある。 その事実に世間の人たちが気づけたのなら、きっと日本の自動車業界もより大きく発展することだろう。
トラック魂編集部