四つの思考法を成立させることと「未来から来た会社」グーグルとの共通点
自分はどの段階の境地か
実現するのは、何千年も先のことなのかもしれないが。ただし、今のところ、世界の絶対平和への道は、本書のストーリー以外、私には思いつかない。 さて、ここで、システム思考への逆噴射のようだが、現実的な双方向性の提案をして結びにかえたい。 本は、書きっぱなし、読ませっぱなしでは片手落ちだと思う。このインターネット時代、読者からのフィードバックを元に議論を発展させるべきだ。そこで、ご意見や感想をぜひお気軽にお寄せいただき、議論とアコモデーションを続けられればと思う。 まず、ご意見や反論があればお聞かせいただきたい。対話とアコモデーションによって、閉塞感とは無縁の新しい未来を築くことができると信じるからだ。もちろん、私の未熟さに基づく間違いや説明不足により、読者に誤解を与えた部分や、わかりにくいと感じさせる部分も少なくないだろう。そのような点を改善したいという思いもある。 私の四ステップはこれだ、という個々の方の例を公開していただくのも、多くの方にとって有益だろう。 自分は第何段階までしか至っていない、という方の現状とその理由もお聞かせいただければと思う。 至福の境地、悟りの境地、絶対平和の安寧な境地、あらゆる問題を解決できるという自信に充ち溢れた境地、閉塞感を完全に超越した境地、生かされていることをなすがままに楽しむ境地、まったく死を恐れない境地、世界の人類を分け隔てなく愛する境地。 これら、システム思想と相似形の境地に至っていると自認される方、それがわかるとおっしゃる方、ないしは、そういう方を知っているとおっしゃる方にも、ぜひお知らせいただければと思う。 これからの時代を担う若い人たちでそれを理解しているという早熟な方は少ないだろうから、そのような人のヒントになるような事例を収集して体系化できればともと思う。 本書で四つのステップを行き来する間に、他の立場の方を挑発したり、高飛車にふるまうなど、いろいろと不適切な部分もあったかも知れない。しかし、私自身の志としては、現時点での私の思考と思想を、全力を尽くしてちりばめた本にしたつもりではある。本書がほんの少しでも、読んでくださった方々の、何かを得た喜びと、何らかの一歩につながっていれば、それほど幸福なことはない。 ---------- 以上、『思考脳力のつくり方』に載せられなかった幻の原稿でした。ここに述べたように、ご意見などありましたらぜひお寄せください。よろしくお願いいたします。 ■参考文献 前野隆司『思考脳力のつくり方 ── 仕事と人生を革新する四つの思考法』角川ワンテーマ21(新書)、2010年4月 ※次回は9/15ごろ掲載予定です。