GWに見てから行きたい「日本を縦断ドラマ3選」
最大10連休とも言われている今年のゴールデンウィーク。なかなかない長期旅行の機会に「行き先が定まらない」なんていう方も多いのではないだろうか。今回ご紹介するのは、「日本を縦断」する作品3選。最小限のロケに留める作品が多い中、日本各地でのロケを行ったものを見ると、旅をしたい欲望も湧いてくるもの。せっかくの連休、今回ご紹介する作品を参考に、行きたいところには全部行ってみる「自分的ロードムービー」旅にしてみては。
北へ南へ日本列島縦断 野沢尚の壮大な愛憎劇
今回のテーマは「日本を縦断するドラマ」。つまり、映画のジャンルでいうところのロードムービー的な物語であり、連ドラの中でも「ロケを多く採り入れた力作」と言っていいだろう。 1作目はロードムービーの定番である“逃亡”を描いた『青い鳥』(TBS系、1997年)。 長野県で駅員として働く柴田理森(豊川悦司)は、次期市長候補・綿貫広務(佐野史郎)の内縁妻・町村かほり(夏川結衣)と惹かれ合う。さらに、かほりが前夫との間に生まれた誌織(鈴木杏)と引き裂かれそうになったことで、衝動的に3人で逃避行する。 こう書くと単なる不倫ドラマと思われそうだが、当作の本質は壮大な日本縦断の旅。幸せを求めて秋田、岩手、青森、北海道と北へと逃げた第1部の結末は、まさに「破滅の旅」だった。一方、第2部で描かれたのは、理森と成長した誌織(山田麻衣子)が鹿児島に向かう南への「再生の旅」。日本の中心から北と南へ向かう2つの旅は、「約10億円の制作費をかけた」と言われるスケールを物語っていた。 また、ロードムービーの醍醐味である「旅を通して主人公が何を得て、何を失ったのか」の描写も鮮烈。なかでも理森を襲う広務の執念は凄まじく、脚本家・野沢尚が手がける最後まで結末が読めないハラハラの脚本が視聴者を熱狂させた。 ロケ地は長野県のJR中央本線信濃境駅を筆頭に、理森の生き別れた母が住む牧場、理森が働いた八戸の魚市場、室蘭のトッカリショ岬、指宿の灯台や知林ヶ島など、行きたくなるようなスポットが目白押しだった。 ストーリー いけないと分かりながらも惹かれ合い、本当の愛を探し求めて不倫と逃避行を行う男女を描く。長野を中心に、北海道、東北、鹿児島など全国にロケ地があるのも魅力。