この「マットレス」で人生が変わる!? 4回も返品交換し、やっと出合った逸品とは?【フランス在住・井筒麻三子】
人気YouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」のMamikoこと井筒麻三子さんが、パリでの家探しや新しい暮らし方を綴ります。 【写真】パリの井筒さん宅の可愛いファブリックまとめ 前回、エマで購入した最上級モデルのマットレスがサイズ違いだったため返品&交換。そこまでのインパクトを感じなかったため、最上級モデルから、一番売れているというスタンダートモデルにダウングレードしたマットレスを注文したことをお伝えした。 しかし、届いてみたら「ん? なんかすっごい柔らかいんですけど!」。最上級モデルは硬めの質感だったのに対し、こちらはなんだかぐにゃんぐにゃん。めっちゃ柔らかい。 そもそも腰痛持ちにとって、マットレスは硬めというのが鉄則(と思ってますが、全国の腰痛持ちさん、そうですよね?)。腰が沈むほど柔らかいは言語道断。返品すべ! となってしまった。 エマの最上位クラス、一番人気クラスもダメということは、もはや他で探すしかない。そもそも、ネットの口コミなんて頼りにならないことがよく分かった。これはちゃんと寝てみて探すべし!ということになり、マットレス専門店「La compagnie du lit」へ向かった。 到着してみると、ズラーー~っとベッドしかない専門店の様子に、気分が上がる。そうよ、ちゃんとこういうところで確認すべきだったのよ! 夫と一緒に、片っ端から寝転がっては寝心地を試してみる。けれど私たちの基準は、その前に体験したエマの柔らかいマットレスになってしまっていた。とにかく硬いやつがいい、そればかり考えていた。 結果、ものすごい硬いマットレスを選択。その場で購入しようと思ったのだが、お店には店員が一人しかおらず、その人は他のお客さんを対応していて全く終わる様子がない。「ネットで買っても同じでしょ」と、家でサイト購入することにしたのだが、この判断が私たちの運命を分けた。
ネットで発注を終え、早速翌日届いたマットレスに寝てみると……うん、硬い。硬いけど、硬過ぎやしませんか? 普通に寝ている場合はいいけれど、横向きになったり寝返りを打つと、もはや肩が痛い。さらに、お試ししてみた時は一人ずつ寝ていたからわからなかったけれど、夫が横で寝返りを打つと、振動がダイレクトに来る。寝始めた数時間後に「ない、ないわーー、これ!」と叫んでしまった。 翌日また「La compagnie du lit」に行き、硬くもなく柔らかすぎもしないマットレスを探す。整体の先生にも相談し、シモンズのものがやっぱりいいのかなと思っていたこともあり、シモンズのOsez G23というモデルに心を決めた。 ところが店員さんに、マットを返品交換したいと伝えると「ベッドとマットレスを一緒に買った人以外は返品できません」と言われる。え、でもサイトには100日お試しって書いてありますよね? と聞くも、できないんで~と言われるばかり。 仕方がなく家に帰り、よーーくサイトを確認してみると、ネットで購入した商品の場合、100日お試しはできる。しかし交換には100ユーロの返送料がかかり、さらに書留で交換を申し出なくてはならず、届いた際のビニールパッキングなども全てとっておいてなくてはいけないと書いてあることを発見。 「なんでそれ、最初に確認しないの」とまた夫に怒られる私。だって100日トライってあるから、世の中みんな、エマみたいにニッコリ返送料も負担しつつ替えてくれるんだと思っちゃったんだよ……。 もはや絶体絶命。でも、そもそもネットで買ったものって、買ってすぐならば必ずクーリングオフができたはず。ダメもとでカスタマーセンターに電話をし、気に入らなかったので返品したいと伝えると「返品でなく、他のものと交換なさいますか?」。え、できるの!? 交換したいですと言うと、お店に行ってちゃんとトライしてみてと言われる。「実はもう行って試しました。その上で決めたんです」と伝えたところ、100ユーロの返送料はかかったものの、お試ししたシモンズのマットレスに、無事替えてもらえることに! やはり、フランスはなんでも聞いてみることが大事。例え但し書きにあることと違ったとしても、このように人によって違う返事になったりすることがあるからだ。とはいえお店で支払いしていたら、無理だっただろう。店ではなくネットで買っておいて、本当によかった~! しかしホッとしながら交換の日時を確認すると、「配送ですが、6時から14時の間になります」「はい? 6時って、朝の6時??」「そうです」。……早くない!? 当日は、朝の5時半ぐらいから眠い目をこすりながら待っていたが、結局やってきたのは、13時。なんだったんだろう、嫌がらせだったのだろうか? まあそれでも、ちゃんと来ただけよかった、と思えるのがフランス。住民はそういうMっ気体質へ移行すべく、ことあるごとにこうして鍛えられているのかもしれない。 そして4度目の正直であるシモンズのマットレスは、身体を包み込むような表面的柔らかさはありつつ、腰が沈みすぎることのない奥深い硬さもあり。やっとやっと、これでちゃんと寝られる……これからは、人生の1/3である睡眠時間のクオリティも、より良いものになるはずだ。届いて数日しか経ってないので、まだ確信は持てないのだけれども。 撮影/Yas
井筒 麻三子