エアレース開幕。“侍”室屋が予選4位でV2見えた!
明日4日の決勝は、1対1の勝ち抜き方式で行われる「ラウンド・オブ・14」からスタート。そこを勝ち抜くと準決勝にあたる「ラウンド・オブ・8」へ駒を進め、ここでの1対1対決に勝てば「ファイナル4」への進出が決まる。これが事実上の決勝で、4人でのタイムレースとなる。 予選4位だった室屋の「ラウンド・オブ・14」での最初の相手は、予選で55秒954で11位のペトル・コプシュタイン(39、チェコ)だ。コプシュタインは、予選の2本目で、安全性の確保のため定められているセーフティラインを超えるというミスを犯し失格となっていた。14人が争うマスタークラスに昇格して、2シーズン目の発展途上の選手。まだ表彰台経験はない。よほどのミスをしない限りベスト8進出は問題ないだろう。 前日のトレーニングフライトが強風のために中止となり、本来、予選日には1度しかないトレーニングフライトが2度行われるスケジュールとなった。それでも、通常よりもテストが本数が少ないため、戸惑うパイロットが多かったが、ここがホームタウンの室屋にとっては、追い風になる。涙の初優勝となった昨年の千葉大会も強風で予選レースが中止となり一発勝負となったハプニングを室屋は味方につけている。 予選1位のマクロードが、「2014年以来の予選1位で調子がいい。昨日トレーニングフライトが中止になって、今日は手探りでタイムを出した。分析、細かい研究でなく、体感したものを次のアタックで生かす展開が自分に向いていた。機体の調子もいいし、このトラックは合っている」と言えば、2位のドルダラーも、「朝からのトレーニングでいろんなラインを試した。明日はトラック記録を狙う」と、V宣言をした。 室屋に強敵が多いが、予選4位のポジションは、V2への視界が広がったと言っていい。 レース後、会見に参加した室屋は、最初に流暢な英語で答え、自らがそれを日本語に訳して、もう一度、喋り直すという“無茶ぶり”を器用にこなしながら決勝への意気込みを語った。 「もちろん、勝つための準備をしてきた。チームに勝つ能力は揃っている。それはサンディエゴで勝ったのでわかる。リザルトを見ると(上位の選手のタイムは)僅差で並んでいる。勝てるかどうか、勝利の女神に微笑まれるかどうか。チームワークはある。レースはレース。どうなるかわからない。ベストを尽くすだけだが、チャンスはあると思う」 決勝は、明日4日、午後1時過ぎからスタートする。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)