最大の武器である”ハイライン戦術”を対策されつつあるバルセロナ チーム関係者が語る不調の要因とは
11月以降リーグ戦は2勝2分3敗
ここ数試合で低調なパフォーマンスを見せるバルセロナ。現在リーグ戦18戦で12勝2分4敗の勝ち点38で首位にいるものの、1試合消化が少ない2位アトレティコ・マドリードに勝ち点38で並ばれ、同じく1試合未消化のレアル・マドリードも勝ち点37まで伸ばしており、首位陥落の危機が迫っている。 今シーズン序盤のフリックバルサは非常に好調だった。10月までの公式戦14戦は12勝2敗。特に10月後半の山場3戦と言われたセビージャ戦、CLバイエルン戦、レアル・マドリード戦を全て快勝し、一時は2位のレアル・マドリードを勝ち点9ポイント上回り、その勢いは誰にも止められないように思えた程だった。 しかし11月に入って以降、バルサはリーグ戦で躓くようになる。11月以降は公式戦10戦で5勝2分3敗。リーグ戦に絞れば7戦で2勝しかしていない。攻撃の軸だったFWラミン・ヤマルの怪我など不調の要因は様々あるが、大きな要因としては最大の強みであったハイライン戦術が対策されつつあることだろう。 11月10日に行われたレアル・ソシエダ戦(0-1)の後、久保建英は『ESPN』のインタビューで、中盤の選手たちの裏抜けがカギになるという印象を受けたという。「チャンピオンズリーグのレッドスター戦(5-2)を見たが、彼らは先制点を奪われた。彼らはストライカーやワイドの選手を見てラインを止めるので、そういう状況は難しいと思うが、2列目、MF、さらには守備的MFの裏抜けも考慮に入れているかどうかはわからない。この試合を見て、もしかしたら守備の仕方を考えるかもしれない」と語っていた。 また、ラス・パルマスのDFミカ・マルモルも同メディアのインタビューで「バルサのプレッシングに対してボールを前に運び、(後方から)抜け出すことに取り組んできた。彼らのプレイスタイルではラインが非常に高いのでそれを利用したかった。私たちには優れた攻撃の速い選手がいる。リスクはあるが、彼らにとってはうまく機能していた」と語っていた。これらのようにバルサ相手には裏抜けの攻撃が有効とされ、特に2列目以降の選手で裏抜けの回数が多いチームや足の速い選手がいるチームに苦戦気味だ。 また、バルサの関係者が明かした話によれば、バルセロナの1試合あたりのオフサイドをとらえる回数がここ6試合で6.92回から5.83回に減少しており、不振の原因をハイラインが攻略されたからだとは考えず、他にも要因があると考えているという。「フリックは特にチーム全体で守備をしなければならないという事実を強調しており、攻撃と守備の断絶、つまりプレスの激しさの低下によって、相手チームがバルサのバックラインを攻撃しやすくなっていることを示唆している」と語っていた。 週末にはアトレティコとの直接対決がある。バルサとは真逆にアトレティコは現在公式戦11連勝中と好調を維持している。この結果次第では順位が入れ変わる可能性があるため、両チームとも絶対に負けられない戦いとなる。注目のバルセロナとアトレティコの試合は21日にバルセロナホームで行われる。
構成/ザ・ワールド編集部