ロッテ育成2位・小沼健太 151キロ右腕の人生を変えた運命の視察試合
189センチの長身からの最速は151キロ。潜在能力はピカイチであったが、今季の防御率は5点台……。創設2年目のチームとともにもがき苦しんでいた。大逆転の指名の裏には、運命とも言える試合で見せた“奇跡の投球”と地道な努力があった。 その瞬間、千葉で生まれ育った男は、“意中の球団”からの指名に、両手をたたいて喜びを表した。ロッテ育成2位。 「純粋にうれしかったです。地元の球団で小さいころから試合を見てきました。子どものころのあこがれの投手は小林宏之さん。高校時代も友人と一緒にマリンスタジアムに行き、応援していました」 喜びをかみ締めていた小沼健太の携帯電話に、一本の電話が入った。 受話器の向こうは、小林宏之氏だった。小沼が高校を卒業した2017年に入団したBC武蔵(現・埼玉武蔵)の監督だったのが、小林氏だった。早くから小沼の潜在能力を評価していた小林氏は、ロッテからの指名を自分のことのように喜んだ。 「小林さんから『おめでとう!』と言葉をいただきました。うれしかった。BCリーグに来て良かったと思いました」 千葉県旭市出身。東総工高では3年夏にはエースナンバーを背負うも、千葉大会4回戦で敗れた。長身投手ではあったが、高校時代は無名と言える存在だった。 しかし、「子どものころからプロ野球の世界で活躍することを夢見ていた」という小沼は・・・
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週刊ベースボール