コストコは、金の延べ棒やコインで成功し、今度はプラチナにまで貴金属の取り扱いを拡大している。

コストコは幅広い品揃えでゴールドやシルバーを販売しているが、それに今回、プラチナが加わった。 【全画像をみる】コストコも販売を開始…プラチナとゴールドはどこが違うのか 同社は10月に入ってから、プラチナのコインと延べ棒の販売を始めている。 しかし専門家は、プラチナはゴールドのように安全な投資先とはみなされないと警告している。 コストコの買い物客は昨年来、ゴールド（金）とシルバー（銀）さまざまな製品を次々と購入している。 コストコのCFO（最高財務責任者）を務めるゲイリー・ミラーチップ（Gary Millerchip）は、10月初旬に行われた決算発表で、第4四半期のゴールドの売上が2桁の割合で増加したと述べた。 コストコの貴金属愛好家が集うレディット（Reddit）のフォーラムに掲載された自動出品トラッカーを見ると、価格が約1090ドル（約16万円）で重さが1オンス（約28グラム）のプラチナのコインと延べ棒が10月初旬に複数回売り切れたことが示されている。 カナダ造幣局が製造したプラチナのコインと、スイスのPAMP製油所（PAMP refinery）が製造したプラチナの延べ棒は、それぞれ市場での引渡価格をわずかに上回る価格で販売されている。10月4日時点での引渡価格は1005ドル（約15万円）前後で推移していた。 コストコの公式サイトによると、会員が1回の取引で購入できるプラチナ製品は、最大5個までに制限されている。 世界プラチナ投資評議会の調査ディレクター、エドワード・スターク（Edward Sterck）によると、プラチナの世界価格は2011年に1オンス当たり約1780ドルでピークに達した。この時期、中国の急成長により、多くのコモディティの需要が供給を上回ったためだとされている。 スタークはコストコについて直接的な言及はしなかったが、プラチナが宝飾品や時計などの消費者向け製品に広く使用されている一方で、コモディティ需要の大部分は産業によるものだと指摘した。特に自動車産業では、内燃機関の排出ガスを削減する触媒コンバーターを製造するためにプラチナが使用されている。 EV（電気自動車）の人気が近年のプラチナ価格にとって逆風となっていたが、現在のEV市場の低迷によって、プラチナ需要が再び高まっている。 スタークがBusiness Insiderに語ったところによると、プラチナは産業界で必要とされていることに加え、金よりも希少であることから、長期的には価値が高まる可能性があるという。 しかし、どの貴金属も資産の保全手段として金には敵わないと、GoldCoreのデビッド・ラッセル（David Russell）CEOは言う。