奇妙な外観のロシア「納屋」戦車、対ドローン目的か ウクライナ東部
ウクライナ軍は、変わった外観を持つロシア軍の戦車を捕らえた。ウクライナ軍が「納屋」戦車と呼ぶこの車両は、ドローン攻撃の絶え間ない脅威に対抗するために改造されたと見られる。軍隊がドローン攻撃の絶え間ない脅威にいかに適応しようとしているかを示しているようだ。 老朽化した戦車T62から作られたこの車両は、外側に箱型の金属部分、後部にケージ、電子戦装置が取り付けられるように改造されたという。ロイターの取材に応じた兵士らが明らかにした。 キャノピーの部分は、特に安価に製造されるファースト・パーソン・ビュー(FPV)ドローンからの防護を目的としているようだ。こうしたドローンは弾薬を搭載し、操縦士が画面で監視しながら標的まで飛ばすものだ。 ウクライナの兵士、ドミトロさんはこう語った。「(『納屋』戦車が)何でできているのかさえ分からない。でも履帯部分は保護されている。砲弾が当たって少し曲がってはいるけれど、この保護は役に立つ。砲弾が下を通るのを防いでくれる。短時間、乗員に有利な状況をもたらす」 兵士らによると、「納屋」戦車の主な用途は、食料、弾薬、部隊の移動だった。ドミトロさんは、小さなハッチから装備を運んで乗り降りするのは難しいと語った。また視界は非常に狭く、車内では悪臭が発生していた。 ウクライナ軍が撮影し、6月17日に公開したドローン映像には、戦車がロシアの乗員とともに森林地帯で捕えられる様子が映っていた。ウクライナ軍はその後、戦車の上に自国旗を立てた。 ロシアがウクライナ全面侵攻を開始してからほぼ28カ月が経過する中、双方によるドローンの使用が戦場の至る所で見られるようになっており、前進や安全な活動が困難になっている。 ウクライナ側によると、この車両は、バフムト近くで数か月にわたる戦闘に見舞われた、クリシチフカ村近郊で捕えられた。