「令和の世なら意外に優秀かも…」『ドラえもん』野比のび太が秘める「凄まじい才能」
藤子・F・不二雄さんによる漫画『ドラえもん』の主人公のひとり、野比のび太は「ダメでドジな小学生」として描かれる。学校のテストはたいてい0点だし、運動神経も悪い。のび太を助けるためにやってきたドラえもんですら、その様子にいつもあきれてばかりだ。 ■【画像】「何度見ても衝撃」瞳があまりにも美しい『ドラえもん』美男子のび太■ しかし『ドラえもん』は昭和から平成初期にかけて連載された作品だ。時代は今や令和であり、かつては認められなかった能力が評価されることも増えてきた。そんな視点で原作漫画を読み返してみると「のび太って今ならむしろ優秀かも?」と思える描写もあるのだ。 そこで今回は、今なら評価されそうな「野比のび太が秘める凄まじい才能」を考えてみたい。
■いつでもどこでも0.93秒で眠れる! 昼寝の天才は寝不足知らず
のび太が持つ才能で比較的有名なものといえば「射撃」「あやとり」、そして「昼寝」だろう。 コミックス30巻収録の「ねむりの天才のび太」では、立った状態から横になって眠りにつくまでわずか0.93秒という離れ業を披露し、その天才っぷりを読者に見せつけた。同エピソードではママに怒られながら眠ってしまうシーンもあり、のび太はいつでもどこでもすばやく眠れる体質だとわかる。 作中では寝てばかりだと怒られがちなのび太だが、現代人からするとこの“睡眠力”はとても羨ましいものだろう。昨今の日本人は寝不足に悩まされる人が多く、平均睡眠時間は約6時間と諸外国と比べてかなり少ないとのデータもあるほどだ。「日中は眠くてたまらない」「夜も熟睡できず深夜に起きてしまう」といった眠りのトラブルに困っている人も少なくないだろう。 寝不足が続けば集中力も低下し、仕事や勉強のミスにも繋がる。そう考えると、いつでもどこでも熟睡できるのび太の“睡眠力”は、体調管理が大事な現代社会向けの才能といえそうだ。もっとも、のび太は昼寝でリフレッシュしても失敗してしまうのだが……。
■作中では不幸扱いだったけど…自力で起業して7年続けたのはすごい!
そもそもドラえもんがのび太の元にやってきた理由は、ドラえもんがいないとのび太とその子孫が不幸になってしまうからだ。 コミックス1巻「未来の国からはるばると」にて。ドラえもんが20世紀を訪れなかった本来の未来において、のび太は大学入試に落第、その後就職活動に失敗し自分で会社を立ち上げる。だが、その5年後に火事で社屋を失い、さらに2年後にあえなく倒産。そのときの借金のせいで子孫のセワシまで貧乏が続いている……という流れだ。 ここで少し考えてみてほしい。確かに就職には失敗したかもしれないが、その後の起業はどうだろう。20歳かそこらの青年が「就職できなかったから」という理由だけで会社を始めるのだ。それはドジというより、むしろとんでもない行動力の持ち主といえないだろうか。 また、まがりなりにも会社が7年続いている点にも注目したい。中小企業庁が出している統計によると、創業5年後の企業生存率は80.7%であり、約2割の会社は5年を待たずに廃業している。落ちこぼれといわれているのび太だが、現代の基準で考えると経営力は決して悪くないようだ。 さらにこのエピソードに登場するのび太の未来のアルバムの写真を見ると、起業時点で最低でも8人の社員がいるのがわかり、リーダーに欠かせない人望があったことも読み取れる。 “社長・のび太”の結果は悪かったかもしれないが、その能力は十分に立派といえるはずだ。社屋全焼さえなければ、倒産どころか22世紀まで名が残る大企業の会長になっていた……かもしれない。