6回まで完璧も突然の乱調……東海大相模の149キロ右腕・福田拓翔が乗り越えるべき課題【春季関東大会逸材分析】
<春季関東大会:白鷗大足利5-0東海大相模>◇20日◇準々決勝◇上毛新聞敷島野球場 【トーナメント表】春季関東大会 20日までの結果 東海大相模の2年生右腕・福田 拓翔投手が関東大会に初登場。6回までは前評判通りの投球だった。立ち上がりから140キロ台中盤の速球を連発。130キロを超えるフォーク、120キロ台後半のスライダーはいずれも精度が非常に高い。4回表には球場表示で最速147キロを計測。手元のスピードガンでは最速144キロ、平均球速141.1キロ。球質も手元でぐっと伸びるストレートで、変化球の精度も申し分ない。ただ投げるだけではなく、内外角、低め、高めを使い分け、投球の幅も非常に広い。高校2年生右腕としてはトップレベルだろう。投球フォームもワインドアップから始動し、ゆったりとした足上げ、滑らかな体重移動、スムーズな上半身の動き、腕の振りと投球フォームの完成度も高い。 白鷗大足利の篠原 飛羽主将(3年)は「全国でもこんな良い投手はなかなかいない。速球の速さ、変化球の速さも段違いでした」と脱帽。6回まで8奪三振、完封ペースで、福田がヒーローになる試合に思われた。 しかし7回表、先頭の2番古内 拓翔内野手(2年)に四球を許したところで歯車が狂う。続けて安打を浴びて、一死一、二塁になったところで、篠原に高めに入った直球を打たれ、先制点を失う。さらに満塁になったところで、途中出場の小林 翼外野手(3年)に走者一掃の適時三塁打を打たれ、さらにスクイズもされ、5失点と悔しい投球内容に終わった。原俊介監督は「7回に入って、球速が落ちてしまった。スタミナ不足が課題ですね」と語るように、130キロ台後半の速球が増えた。球速面は落ちているが、福田は「県大会準々決勝(対桐光学園)では足がつってしまったが、今日はそれはなかったですし、疲れ自体はなかった」という。となれば、0対0の緊迫した攻防による精神的な動揺か。福田は「先頭打者の四球がひきずってしまった。夏になればこういう試合が増えると思う。それでも勝ち抜ける精神力、スタミナを身に着けたいです」と夏へ向けての宿題が見つかった。 春の県大会、関東大会のパフォーマンスを見ると、やれることはすべてやったといえる。「ストレートも投球練習から走っていて、試合でもそのボールが投げられた。スライダー、フォークも良かったですし、フォークも上手く空振りを奪うことができた」 本人も手応えを感じていたように、130キロを超えるスピードで三振奪った場面があった。 福田が求められるのは夏でも今回のような投球ができるためのコンディション調整をすること。調子を崩して中途半端な投球になってしまってはもったいない。その上で接戦の場面でも長いイニングを投げられるスタミナがつけば理想的だ。 平均球速が140キロを超え、フォークも130キロを超えており、現時点で今年の高校生右腕と比較しても、指名レベルに入るピッチングをしている。この夏はさらに評価を高める投球ができるか注目をしていきたい。