「まんが道」展に感嘆 複製原画、描写に見入る 藤子Ⓐさん生誕90周年 氷見で開幕
氷見市出身の漫画家藤子不二雄Ⓐさん(元富山新聞記者)の自伝的作品「まんが道」をテーマにした企画展「まんが道 富山、そして旅立ち」が30日、市潮風ギャラリー(中央町)で開幕した。藤子Ⓐさんの生誕90周年を記念して市が初めて企画した。富山で過ごしたシーンの複製原画18点が公開され、ファンや観光客が細やかな風景描写に感嘆し、戦後漫画史を彩る貴重な記録に見入った。 藤子Ⓐさんのファンである蓼沼康弘さん(52)は栃木県から家族3人で「ひみ寒ぶり」を目当てに氷見に訪れた。企画展の開催を喜び「風景描写がすごい。実物を見るため高岡にも行く」と話した。 「北陸デスティネーションキャンペーン」で初めて氷見に来た岡山県の荻田健介さん(53)は「天才2人が生まれた富山のことが分かる面白い企画だ」と満面の笑み。「マンガミュージアム」(東京)で開かれたまんが道展にも足を運んだファンもいた。 まんが道は藤子Ⓐさんと藤子・F・不二雄さん(高岡市出身)をモデルとした少年2人が漫画家デビューを目指す悲喜劇。故郷の富山を離れ、東京のアパート「トキワ荘」で同世代とともにプロの道を歩む姿を描く。 会場には主人公が上京するために高岡駅から列車に乗るシーンや2人の話し合いの場として度々登場する高岡古城公園、富山駅などを繊細なペン遣いで表現した複製原画が並んだ。風景や構図に関する解説パネルが添えられ、富山新聞は写真提供で協力した。 氷見展は東京展と比べて富山時代に重きを置いた内容で、市は地元住民にも郷土の偉人の功績を知ってもらいたいという。会期は来年3月10日まで。