人吉梅園、今季は一般開放中止 遅霜などで着果少なく
人吉市は、毎年5月下旬に実施している人吉梅園(上漆田町)の一般開放を、今年は取りやめることを決めた。暖冬と遅霜により着果が少ないためで、市農業振興課は「不作による中止は初めてではないか」としている。 人吉梅園は、1960年代後半に植樹が始まり、現在は標高250~300メートルの斜面約7・5ヘクタールに「白加賀」「青軸」などの品種、計4600本がある。 一般開放は梅の収穫を楽しむことができ、市内外から家族連れなどが訪れる恒例行事。コロナ禍と熊本豪雨のため2020年から中止していたが、23年に4年ぶりに再開した。 ただ、今年は暖冬で例年より約2週間早い2月中旬に花が満開になる一方、3月には例年1、2回の遅霜が5回ほど発生した。市が管理を委託する市梅園管理組合の山下英樹組合長によると、着果は例年の1、2割。「一度暖かくなった後の冷え込みが影響し、受粉した実が落果してしまった」と話している。(東寛明)