衆議院と参議院で違いはあるの?
国会議事堂の建物を見たことはありますか? 実は正面から向かって左側が衆議院、右側が参議院なんです。見た目にも同じように見える衆議院と参議院ですが、一体どのような違いがあるのでしょうか。 国で唯一法律を作れる場所、それが国会です。衆議院も参議院も、法案を審議したり、首相を選んだりしますが、求められる役割や任期、人数などに違いがあります。 まずは役割の違いから見ていきましょう。 新しい法律を作ったり、国の予算を決めたりする時、国民にとって本当に必要な法律であるか見極める必要があります。「大切な税金の使い道だから慎重に議論すべきだ」という考えに基づき、例えば衆議院で話し合ったことを参議院でもう一度審議するのです。これを「二院制」と言います。 参議院には、衆議院が可決した法案が行きすぎていないかチェックしたり、足らない内容を補足したりする役割が期待されています。参議院が「良識の府」と呼ばれる所以です。 一方で衆議院には、いくつかの項目で参議院に対して優越が認められています。首相の指名、予算の議決、条約の承認などの議決は、衆議院と参議院で違う判断をした場合、衆議院の議決が国会の議決となることになっています(「衆議院の優越」)。 また、任期や構成人数も違います。 衆議院は480人の議員で構成されていて任期が4年なのに対し、参議院は議員の数が242人で任期は6年です。うち半分の議員が3年ごとに改選されます。そして衆議院には解散がありますが、参議院にはありません。 立候補できる年齢も違います(被選挙権)。衆議院は満25歳以上の国民であるのに対し、参議院は満30歳以上の国民が立候補できます。 このように、参議院は任期が長く、解散がないことにより、衆議院と比べて議席の変化が安定しています。参議院は、衆議院より広い視野で冷静に判断することが求められているのです。