寒風受け輝く柿のれん 一関・花泉
11月も半ばに入り県南地方でも朝晩の冷え込みが増す中、一関市花泉町の老松地区では鮮やかな色艶ととろけるような食感が特徴の干し柿「おいまつ柿」作りが最盛期を迎えた。老松柿生産組合「おいまつ柿援隊」(小野寺義成組合長)が特産品にしようと取り組んでいるもので、干し場では約4メートルの高さから弓なりにつるされた山吹色の柿のカーテンが幾重にも連なり、寒風を受けて日々甘みと輝きを増している。 おいまつ柿は、皮をむいた渋柿を硫黄薫蒸(くんじょう)してから干すことで表面の軟らかさを保つ独特の製法で作られ、色艶と自然の甘さが高級な生菓子を思わせる。 今季の作業は4日から同町老松地内の作業場で始まり、毎日10人前後が1個ずつ手作業で皮をむいたものを薫蒸処理してから隣接する干し場につるしている。 15日まで続く作業では、前年より3000個少ない8000個を作る予定。小野寺組合長は「今年は柿が大きめで長めに干す必要がある。出来は今後の寒さ次第」と語り、12月下旬からの出荷を予定している。