輸出不振に歌手・所属事務所紛争…1年でバブルはじけたK-POP
昨年音盤販売量1億枚を突破して史上最大の実績を記録したK-POP業界が今年は苦戦をまぬがれることができなかった。海外輸出が不振なうえ、テンパリング(契約期間中に第三者と事前接触すること)などによる業界の内紛が頻繁に起こったためだ。一部では最近数年間続いた「音盤インフレ」のバブルが消えたという話も出てくる。 韓国音盤コンテンツ協会が運営するサークルチャートによると、2014年約730万枚から2023年1億1600万枚まで9年間上昇曲線を描いてきた音盤販売量が今年に入ってから勢いが減速した。1月から11月までの累積販売量は約9314万枚(-19%)にとどまった。12月集計まで推算しても1億枚の販売高は難しい状況だ。 単一アルバム100万枚以上を売り上げたミリオンセラーは今年合計20枚で、昨年同期33枚に比べて13枚減った。500万枚以上を売り上げたアルバムは「0件」だ。昨年単一アルバム500万枚売上高を記録したボーイズグループのSEVENTEEN(セブンティーン)とStray Kids(ストレイキッズ)はそれぞれトリプルミリオン(300万枚)、ダブルミリオン(200万枚)止まりだった。累積アルバム100万枚を記録した歌手も24組で、昨年より2組減少した。韓国音楽コンテンツ協会のチェ・グァンホ事務総長は「昨年アルバム市場が過熱していた部分もあり、ある程度販売量の調整はあるだろうと予想してきたがここまで急落するとは思わなかった。1年で20%が減少するというのは産業的側面で非常に大きな危機」と話した。 全体アルバム販売量減少とともに、新規ファンダム流入を確認できる指標の「旧譜」(発売後6カ月経過したアルバム)販売量も減った。2024年上半期サークルチャート・アルバムチャートトップ400の旧譜販売量を合算すると昨年に比べて約237万枚減(-41.7%)となる330万枚にすぎなかった。 音盤輸出も9年ぶりに逆成長した。関税庁輸出入貿易統計によると、今年1~6月の音盤輸出額は1億3032万1000ドル(約206億円)で昨年同期比2.0%減少した。上半期基準で音盤輸出額が逆成長したのは2015年以降、9年ぶりだ。輸出対象国家は85カ国で前年に比べて5カ国増えたが、K-POPの主要輸出国である日本・米国・中国の比重が昨年比0.6%増となる73.3%を記録した。このうち米国での輸出額は前年同期比19%増加した反面、中国輸出額は2022年から減少している。 韓国コンテンツ振興院は18日に発刊した「2025年大韓民国コンテンツ輸出展望報告書」で「HYBE(ハイブ)とADOR(アドア)の葛藤、K-POPアイドルの逸脱などがK-POP業界に疲労をもたらした」とし、これを危機要因として指摘した。テンパリング疑惑を受けていることが分かった歌手は昨年FIFTY FIFTY(フィフティーフィフティー)に続きEXO「エクソ)、NewJeans(ニュージーンズ)などだ。大衆音楽評論家のキム・ユンナ氏は「歌手と所属事務所間の紛争が音盤販売量に即刻影響を及ぼしたと見るのは難しい」としつつも「確実なマイナス要素としてK-POP消費全般に及ぼす長期的影響で見るなら最悪の要因」と話した。 来年K-POP市場は期待するに値する。今年末から活動を始動させたG-DRAGONがいて、BTS(防弾少年団)やBLACKPINK(ブラックピンク)も来年「完全体」の復活を予告した。BTSのJIMIN(ジミン)は先月ファンコミュニティで「除隊後、僕たちがどんな歌をお聞かせしなくてはならないか、どんな舞台をお見せしなければならないかを考えながら、今から心を踊らせながら過ごしている。もっと成長してより素晴らしい姿をお見せしたいと思うので、たくさん期待していてほしい」と伝えた。