【共同通信杯回顧】キレのあるキズナ産駒ジャスティンミラノ 距離のメド立ったジャンタルマンタル
展開に泣いたミスタージーティー
3着は逃げたパワーホール。中盤の3コーナー手前から4コーナーにかけての12.7-12.7が最後まで残れた要因だろう。東京で好位勢がもっとも動きにくい地点を知り尽くしたペースダウンは見事だ。ただ、パワーホールにとって自身の記録した上がり600m33.5は限界に近い。2着との差1馬身がそれを証明する。もう少し際どくなってもいいほどのペース配分だった。やはりベストは札幌2歳Sのような馬場とペースだろう。 2番人気ミスタージーティーは7着。この流れで中団追走だと、相当速い脚を繰り出せなければ前との差を詰められない。記録した上がりは33.0で末脚は使っている。ホープフルSをみても少し反応の鈍いタイプで、超高速上がりはしんどかった。母の父サドラーズウェルズだけに無理もない。しかし、リッスンの仔はタッチングスピーチなど成長力がある。まだまだこれからの馬だろう。 3番人気5着エコロヴァルツは位置を考えれば、もう少し残ってほしかった。だが、序盤に頭を上げて走るなどリズムが悪かった。こちらはジャンタルマンタルより中距離適性を感じたが、実際には、されど200mの壁に当たってしまった。今後は距離を延ばすのかマイルに戻すのか。陣営の選択を待ちたいところだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳