【大井川鉄道】台風被害から1年半…全線復旧への道は開くのか? “SLが消えた町”の絶望…県の支援方針が待たれる状況を専門家はどう見る?(every.しずおか 2024年3月7日放送)
不本意な形で、天職だと思っていた仕事から外れてしまい、配置転換を命じられたときは、会社を辞めることも考えたといいます。 (大井川鉄道 川根温泉ホテル 上村詩恵さん) 「コロナだったり台風の影響で大井川鉄道全体にも暗い雰囲気が流れていた中で、転職しようかなと考えていた時期がありました」 台風被害による大井川鉄道の不通は、多くの社員たちの人生も、大きく変えてしまっているのです。
“SLが消えた町” 沿線にも影響
大井川鉄道の列車が走らなくなったことで影響を受けているのは、社員だけではありません。SLの終点駅だった千頭も、不通により“SLが消えた町”となり、飲食店や宿泊施設は大きなダメージを受けています。 (cafeうえまる 上田まり子さん) 「鉄道ファンの方で、沿線沿いで写真を撮る方、駅でSLの到着を待つ方などがいた。相当経済効果があったので、地元の商店・飲食店・旅館にも影響がある」
営業中に聞こえてくるSLの汽笛の音が楽しみだったといいます。 (cafeうえまる 上田まり子さん) 「(SLが来ると)蒸気が白く見えて、汽笛が聞こえます。ずっと聞こえていないので寂しいですね。(復旧が)先に進んでいかないので、国・県・町・大井川鉄道の方にSLが千頭まで通るようにしてほしい」 多くの人が全線復旧を心待ちにしながらも、そのめどすら立たたないまま、1年半。ようやく、大きな動きがありそうです。 大井川鉄道から支援の要請を受け協議を続けてきた県が、3月中に支援について方針を示すと発表したのです。 支援はされるのか?されないのか?大井川鉄道、そして沿線の未来は?
“大井川鉄道の復活” 専門家はどう見る?
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さんに、専門家の視点で大井川鉄道復活への道、そのポイントを聞きます。 ◇大井川鉄道の社員の方(運転士さんや車掌さん)が、鉄道業務とは異なる業務に配置転換をされているというのは、かなり深刻です・・ (航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん) コロナが明けてきて、平常通りになってきた中で、災害ということで、いつ再開するか、めどがつかないという不安が、従業員の方にはあるのではないか。 ◇3月中に県による行政支援の一定の方針が示される予定です。自力での復旧が不可能な中で、支援は受けられそうですか? (航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん) 普通のローカル鉄道を災害から戻す場合は、生活の足、市民の足という大義があるが、大井川鉄道は観光に特化している。生活密着路線ではないなかで、観光資源に対して自治体が支援をするというのは、全国でモデルケースがない。どうなっていくのか注目です。
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