坂本休養時の「5番」は誰?巨人打線に新たな課題
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人0―2オリックス(7日・東京ドーム) 巨人がオリックスに敗れ、セ・リーグ首位から陥落した。初回、中堅で出場したヘルナンデスのまずい守備から先制され、主導権を握れなかった。先発の戸郷翔征投手(24)は8回2失点にまとめたが打線の援護なく3敗目。自身の交流戦連勝は6で止まった。坂本勇人内野手(35)の休養で5番には秋広優人内野手(21)が入ったが、期待に応えることができず。巨人担当・片岡優帆キャップが打線の新たな課題を「見た」。 スコアブックを何度見返しても、相手投手が良かったとしか言えないような試合だった。巨人打線がオリックスの先発・東の前に8回まで散発2安打無得点。150キロ超の速球に押し込まれて攻略できず今季9度目の完封負け、0―0引き分けを含めると11試合目の無得点試合となった。3回2死二塁でヘルナンデスが中飛。5回2死二、三塁で丸が一ゴロ。その他のイニングは無安打に終わった。 本格派右腕のデータはスコアラーから細かく伝えられていた。興味深いのは、試合前の時点で150キロ以上の球に対するチーム打率がリーグトップの2割4分(データ協力・データスタジアム社)という点だ。今季は速球にもコンパクトなスイングで対応している巨人打線。試合前の打撃練習からバットを短く持つなど各自が工夫して準備する姿が見られたが、それでも相手の東が上回った。 交流戦は普段、対戦する機会が少ない投手に挑む難しさもある。阿部監督は東について「いいピッチングをされました。球に力があったし、パ・リーグはこういうパワー系の投手が多い中で、どうやってあの強い真っすぐを打ち返すか。それだけが課題なんですけどね」と潔く脱帽。今後に向けて改善点と受け止めた。 打線の中では主に「5番・三塁」で奮闘する坂本がコンディションを考慮して欠場。阿部監督は「勇人がちょっと疲れていたので休養で」と代わりに岡本和を三塁で起用した。「5番・一塁」で出場の秋広は3打数無安打。もちろん秋広が打てなかったから負けたわけではない。ただ、今後も定期的に想定される坂本休養時に誰が5番に入るのかもポイントになると感じた。 今季、坂本がスタメンを外れた試合は丸、萩尾、大城卓が2試合ずつ5番に入り、この日を含め7試合で3勝4敗。1番から丸、ヘルナンデス、吉川、岡本和の上位が良い形で固定できているだけに、好調の立岡らも含め坂本休養時の5番は臨機応変になりそうだ。 守備では初回1死、西野のライナーを中堅・ヘルナンデスが前進して目測を誤り、頭上を越され三塁打とした。これを機に戸郷が失点したが、阿部監督は「(打球が難しい)真っ正面だったんじゃないですか」と責めなかった。5日のロッテ戦(東京D)から中堅に固定されたばかりの新助っ人。糧にすれば問題ない。 交流戦は3カード連続勝ち越し中。試合後の選手たちは完敗を受け止め、連敗阻止に向けて切り替えて前を向いていた。 高橋由伸氏のPoint 正直、坂本に代わる5番打者は見当たらない。今はヘルナンデスが入った1~4番は動かしたくない。ならば、秋広か大城卓だろう。選ぶ際に一番大事なのは、相手にとっても怖い打者を置くことだ。やはり、一発があるバッターは嫌なはずで、秋広のポテンシャルと昨年の実績から推したくなる。大城卓を5番に置くには本来の打撃に戻っていることが条件だ。その上でポジションは捕手ではなく、一塁がいい。やはり、守備の負担は減らしてあげたい。ただ、最近はファーストの練習はしていないようだね。考えすぎず、その日の先発投手の対策によって調子のいい選手を置いておくことも手だろう。
報知新聞社